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カテゴリ:新ソシュール記号学
昨日、音声をどの様に聴覚を通して音素に分節し記憶しているかを考えたのだが、途中で破綻した。
理由は簡単。 認知レベルの記憶喚起に関する説明をすっ飛ばしていたから。 言語の謎を説明するには、様々な無言の前提事項を疑問視する必要がある。 記憶とは何なのかを、先ず定義しないといけない。 この部分(記憶の定義)をきちんと言語化(ストーリー化)出来ないと先には進めないので、もう少し頑張ろう。 存在と言う表現を使う時、それを確認する主体の存在が前提とされる。 これに対して記憶と言う場合、そこに記憶を発動する為の意志が前提とされるが、それは自己完結している。 つまり、何らかの意識が、自分の存在を確認したいと思った時、記憶と言う自己同一性を生み出すメカニズムが発動される。 記憶のメカニズムの発動を前提とすると存在と言う概念は自己同一性と言い換える事が出来る。 自己同一性の成立には時間の存在が前提とされるが記憶自体に時間軸を生み出す独自のメカニズムがある。 この為には意識が自分自身を離散的に分裂する必要がある。 離散的な関係とは互いに同じだが違う。 互いに同じだけど違う、違うけど同じと言う離散的な関係にあるもの同士には、互いに違うな存在だと認識しながらも互いに同じ仲間だとして引き合う力が働く。 元素は電荷と言う離散的な価値で定義されているが電子同士が離散的な関係にあるというのがホイーラーの単一電子宇宙仮説ではないかと思う。 そして私は、互いに離散的な関係を持つもの同士の間に働く力が「重力」ではないかと考えている。 意識がエネルギーだと仮定しよう。 それは最初、混沌であり、形が定まらない。 これに形を与えるのが記憶の発動メカニズムである。 離散的に分裂した意識が互いを引き寄せあって再び融合し意識が更新される時、互いの間に存在していた差異が、時間軸の誕生と言う形で解消される事になる。 こうして生まれた時間軸には、最初から過去/現在/未来と一定方向のベクトルがある訳ではない。 これは意識の自己更新によって記憶が実現され、この記憶の発動のメカニズムが循環サイクルとして機能する時、自己意識の進化が始まり時間が紡がれ、その進化の軌跡が記憶となって空間に刻まれて行く。 記憶とは、存在であり、時間と空間であり、進化である。 この発想はあらゆる存在を粒(粒子)として捉え、その属性を定義しようとする還元主義では導き出す事が出来ない。 全ては「差異/価値」によって成立していると考える必要がある。 それがソシュールの教え。 私はそれに従っただけである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.04.15 02:33:51
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