バレ封じた!虎・スタン、6回2失点で8勝目
阪神がヤクルトに競り勝った。2度のリードを追いつかれたが、七回に新井貴の犠飛で勝ち越した。17日ぶりの登板だった先発のスタンリッジは6回2失点で今季8勝目(9敗)を挙げた。
真っ向から立ち向かった。虎の助っ人も負けていない。スタンリッジが、シーズン本塁打数の日本記録更新を狙うバレンティンを返り討ちだ。場内にため息を充満させた。
緊迫の場面は、一回にいきなり訪れる。四球などで二死一塁とし、バレンティンを迎えた。バックスクリーンの巨大画面にも「HR55」と打撃成績が大きく映し出され、異様な雰囲気が場内を包んだ。それでもひるまない。140キロ超のボールを、外角目がけて投げ込んだ。4球目、強振され捉えられたが、フェンス手前の中飛に斬った。
味方が1点を先制すると、三回には二死一、二塁でバレ砲を迎えた。絶体絶命だったが、カーブと直球を組み合わせ挑んだ。5球目、インハイへの152キロで豪快に空振り三振を奪うと、なにごともなかったようなクールな表情でマウンドを降りた。3度目の対決となった六回にも右飛に仕留めた。
17日ぶりの登板で、6回2失点と力投。ヤクルトの主砲を完璧に抑え、流れを引き寄せると、七回に新井貴が決勝の犠飛。約1カ月ぶりとなる8勝目が転がり込んだ。
阪神・中西投手コーチ(バレンティン対策に)
「逃げないで、思い切っていけと伝えた」
虎・マートン、最多安打へ好位置「うまく反応」
阪神のマートンが二回に先制の16号ソロを放った。内角速球を、うまく左肘を畳んで振り抜いて左翼席へ運び「打てる球を強くたたこうと思っていた」と言う。今季148安打はリーグ単独トップに。2年ぶり3度目の最多安打のタイトルへ好位置にいる。
来日1年目の2010年に214安打を放ち、イチロー(オリックス)のプロ野球記録を塗り替えたマートン。本塁打記録に挑戦するバレンティンに「彼はいいシーズンを送っている。この先も楽しんでやったらいい」とエールを送った。