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カテゴリ:その他のジャンルの海外小説
みなさん、こんばんは。季節がよくなってきたのかツーデーマーチ、スリーデーマーチなどの地域行事が目立つようになりました。
ところで聖書のノアの箱舟を知っていますか?有名ですからご存じですよね! これ、現実じゃないと思うから読み飛ばせますけど、リアルだと思って読むといろいろ変なところあるんですよね。 小説 ノアの箱船 The Preservationist デイヴィッド・メイン(著者),金原瑞人(訳者) ソニー・マガジンズ 「神に愛されし者」「神に選ばれし者」などと褒め言葉で使われるが、ところで、神に選ばれるのは、果たして光栄な事なのか。 例えばヨナ。アッシリアの首都ニネヴェに行って「ニネヴェの人々が犯す悪のために40日後に滅ぼされる」と告げて来い、と言われて最初は逃げる。そりゃそうだ。イスラエルの敵国に行ってそんな事言うなど自殺行為もいいところ。下手すれば「不吉な事を言う奴だ」と殺されていたかもしれない。 次にモーゼ。イスラエルの民をカナンの地に連れていくためエジプト王に「実行しなければ10の災いをもたらす」と告げるが、こちらも現代なら脅迫罪や扇動罪でアウト。よくその場で殺されなかったものだ。 そして箱舟で有名なノア。「洪水で人間滅ぼすから箱舟作って動物選んでペアで入れて」と神に命じられる。洪水起こす力があるなら、舟作って動物集めて乗せるくらい簡単だろうに、なぜ人間にわざわざやらせるのか。神様はホームセンター礼賛派なのか。 本作は、ノアのみが三人称視点、それ以外は家族それぞれが一人称で語るので、一般的なノア像とはかなり違う。要約すれば、「神から選ばれたのだから特別なんだろうな~と思って周囲は言動を容認しているが、実はかなりの変人に見える人」だ。 たとえばこのエピソードだって、現代感覚で考えれば変人だ。「ノアは500才にして息子3人を儲ける」と聖書にはあるが、こちらも名もなき妻視点で描かれているため、実態は結構生々しい。13才の少女との結婚自体犯罪もので、禁欲の箍が外れたのか、初夜に何度も何度も妻と「それ」をする姿は、思わず目をそむけたくなるくらいえげつない。 特別な人ノアと世間を繋ぐため、家族は涙ぐましい苦労をしている。箱舟を言われた通りの寸法で作るとかなり安定が悪くなるが、ノアは「予言でそう言ったんだから」と譲らない。折衷案を探るのは息子の役目。また、動物達を集めて箱舟の所まで運んでくるのは、名前が与えられていない息子の妻二人の役目。 洪水後も家族の役目はある。長時間動物達と船上生活をするのだから、世話と排泄物の処理が伴う。ノアは大切な役目があるため、それらの作業に携わるのは主に家族。ところが家族の苦労は、本筋では語られない。神の怒りと許しを伝えるために必要なエピソードではないからだ。しかし、語られないからといってそれぞれが何も感じなかったわけではない。 神に選ばれたことで、予言に捉われざるを得なかったノアに対して、自分で感じたことや体験に基づいて得た知識に従って生きる家族達の方が、むしろ人間らしく逞しい。ああ、そうか。ノアの箱舟は一方的な受難の物語ではなく、洪水で一旦神に委ねた運命を、再び人間がその手に取り返した誉れの物語なのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
September 30, 2017 02:03:36 PM
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