2016年12月に放送されたHNKのドラマですが、昨日と今日の深夜再放送されたので
4年ぶりに見ました。
4回4時間のドラマです。
ストーリー
70年前の東京で、11人の判事たちが「戦争は犯罪なのか」という根源的な問いに真剣な議論で取り組んだ東京裁判。
NHKは世界各地の公文書館や関係者に取材を行い、判事たちの公的、私的両面にわたる文書や手記、証言を入手した。浮かび上がるのは、彼ら一人一人が出身国の威信と歴史文化を背負いつつ、仲間である判事たちとの激しいあつれきを経てようやく判決へ達したという、裁判の舞台裏の姿だった。
11か国から集まった多彩な背景を持つ判事たちの多角的な視点で「東京裁判」を描く。人は戦争を裁くことができるか、という厳しい問いに向き合った男たちが繰り広げる、緊迫感あふれるヒューマンドラマ。
1946年の春。東京の帝国ホテルに戦勝国11か国の判事たちが集まった。日本の戦争指導者を裁く「東京裁判」を開くためだ。
裁判の焦点になったのは、ナチスを裁くニュルンベルク裁判と同時に新しく制定された「平和に対する罪」。それまで国際法では合法とされていた「戦争」そのものを史上初めて犯罪とみなし、国家の指導者個人の責任を問う新しい罪の概念であった。
この「平和に対する罪」を弁護側は事後法として否定する。判事室では各々の判事の意見が鋭く対立、最初は短期間で決着がつくと思われた裁判は、混迷と長期化の様相を見せてゆく。
裁判の舞台裏の攻防に、日本滞在中の判事たちの私的な行動や、周辺に現われる人物の思惑が混じり合う。1948年の秋、ついに11人の判事たちは2年半に及んだ東京裁判の結論となる判決を出すべく、最後の評議の場に臨むのだった。被告たちの生と死が分かれる瞬間。それは、「人は戦争を裁けるか」という、人類の根源的な問いに答えが出されるときでもあった。
キャスト
豪・ウエッブ裁判長(ジョナサン・ハイド)
英・パトリック判事(ポール・フリーマン)
蘭・レーリンク判事(マルセル・ヘンセマ)
印・パル判事(イルファン・カーン)
加・マッカーサー(マイケル・アイアンサイド)
日・竹山道雄(塚本晋也)
前回は、最年少判事のオランダ・レーリンク判事に感情移入して見ていましたが
今回は、等距離を置いて各判事の挙動を見ました。
興味深かったのは、第2話の
早々に帰国してしまった初代のアメリカ代表判事(マサチューセッツ州高等裁判所から)の後任として赴任してきたハーバード大学出身のクレイマー判事(軍の法務官)がウェッブ裁判長に着任の挨拶をする時、「あなたも(ハーバード出身ですか)?」と問われ、「クイーンズランド州立大学」とウェッブ裁判長が口ごもりながら答え、その大学名を聞いたことがないクレイマーと傍らのマッカーサー司令官との間できまずい沈黙が流れてウェッブ裁判長も当惑、というシーンです。
英米から見れば地球の反対側のオーストラリア、しかも田舎町の判事が裁判長です。
ハーバードやオックスフォードなど名の知れた大学の出身ならまだしも
無名の田舎大学出身。
ブリスベンの地方判事。
マッカーサーとの縁で起用されたのでしょうが、権威を大切にする司法の場では
荷が重すぎました。
このシーンは資料をもとにした創作ですが、さりげないシーンでしたが
今回観てとても興味深いでした。
「戦場」では、米軍とドイツ軍の将校がハーバード大学出身で、
お互いを敬愛しているシーンがありましたがその裏返しですね。
続きます。