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テーマ:お酒大好き(5105)
カテゴリ:日本酒・広島県
広島の呉から江田島に渡る途中の「音戸の瀬戸」。
その音戸の地で明治32(1899)年から酒造りをはじめた榎酒造は、「鳩正宗」でスタートし今は「華鳩」の銘柄で酒を出していますが、由来は蔵のある「鳩岡」という地名によるものだそうです。 そしてなによりも、日本で初めて「貴醸酒(きじょうしゅ)」を製造した蔵として名を馳せています。 貴醸酒とは、仕込み水の代わりに、酒で仕込んだ日本酒です。 具体的には、華鳩の貴醸酒は三段仕込みの最後の留添えで、仕込水の代わりに純米酒を使って仕込んでいます。 酒で醸すため、酵母のアルコール発酵がゆっくりと進み、エキス分の多い濃醇で香味豊かなお酒に仕上がるとのこと。 同じ醸造酒の「貴腐ワイン」と比較されることもあり、確かに濃厚な甘さといい、色あいといい、似ている要素が多分にありますが、貴腐ワインは「貴腐化したブドウ」(ある種のカビ菌に感染したもの)を使うので、造りとしては違うパターンです。貴腐化した米を使うわけではありませんから。 話しは逸れますが、山梨市駅裏手の「サントネージュ」ワイナリーでは以前、無料試飲コーナーで貴腐ワインを提供していましたが、今はどうでしょうか。 この酒、日本酒度は-45.0と驚異的です。 使用米は「中生新千本」という育成は愛知県農業試験場ですが、主産県は広島でいもち病に強く、短稈、多収の米です。これを65%まで精米。 アルコール度は16-17度とやや高め、酸度は3.4とこれまた強烈です。 香りはナッツのような深みのあるロースト調で、飲めばまさに老酒的ですが、日本酒度で驚かされた甘さがイヤミではなく、予想外にすっきりと飲めます。 製造当初は「こんな色のついた甘い酒は日本酒ではない」と酷評されたりしたようですが、今や海外での評価も高く(IWC2010、SAKE部門古酒の部で二度目の金賞とトロフィー受賞)、蔵元のチャレンジ精神に脱帽したいと思います。 デザート的に飲むのも良いかもしれません。
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Last updated
2011/02/21 11:48:28 AM
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