カテゴリ:E【東欧】および 東欧での想い出
共産主義国で暮らすとこうなる 共産主義国で住む人間の生活実感
私の本職は、中東湾岸産油国でのプラントビジネスだったのだが ベルリンの壁の崩壊以前の共産圏でも、プラント輸出の営業活動をした経験がある 外国人にとっては物価が安く気楽な一面がある共産主義国での生活だが やはり今、こうして思い出してみるとその中でも それはともかく共産主義国独特の主ぐるしい抑圧の感覚がよみがえって ちょっと重い気分になるものである 東欧の共産圏諸国でかなりの期間、暮らした実績のある人間として 当時の、昔の、共産圏で暮していた人間の俗な実感を みなさんに教えてあげよう 東西冷戦が終わって久しい今日この頃 まして共産圏経験のある人などほとんどいない日本人にとって いまどき、ちょっと遅い感はあるが、こ~ゆ~情報は貴重だろうと思う ―――― ◆ ―――― ただし、前提条件として これは私が経験した「東欧の共産主義諸国に限る」わけで 下記の諸国についてはよくわからない ● 生き地獄の北朝鮮 ● カストロが意地で死守するキューバ ● 金満・欲望地獄の人治主義共産制(笑)の中国(笑) ―――― ■ ―――― ○ 同じ貧乏でも、みんなが平等に貧乏であれば、焦りや、嫉妬が無いから、楽なものだ ○ 競争が無いから向上心も不要、楽なものだ ○ どうせ金満生活なんか、一生懸命働いても不可能だから、努力などしなくていいから、毎日のんびり ○ 工場でも「カイゼン」とか、「ゼロ運動」とか、「トヨタのかんばんシステム」などの努力目標が無いから、楽なものだ ○ 清貧を日々実践する、清貧を絵に描いたような日々(笑) 自分で選択したわけじゃないけれど ○ 反体制活動さえしないで、余計なことをしゃべらなければ、それほど「圧政」の実感は無い ○ ただし、計画経済下では、物資不足で、配給で長い列に並ばなければならない これが辛い ○ いつでも想定外の「肉」などの掘り出し物に対応出来るように買い物袋の携行が欠かせない ○ 外国人にとっては、商品のバラエティーこそ全く無いものの、なにしろ物価がバカ安だから、本国では極貧という人間でも(笑)ここでは王様気分 ○ 産休は半年ぐらいもらえる ○ 産休を一年取っても、だれも文句は言わない ○ 夏休みは、まるまる二ヶ月ほど ○ どこへ旅行しても、交通費も、宿泊費も安い ○ 計画経済だと、供給量と質が限定されるので、欲しいものはワイロで入手 ワイロが罪悪だと思う者はいない ○ 共産党員はいばっているが、いばらせておけばいい(笑) ○ 先祖が貴族などと言う出自の卑しい者は(笑)学校の成績も差別される ○ 農奴出身者や代々労働者などという高貴な人間が、ここでは(労働)貴族(笑) ○ でも、元上流階級・インテリ出身者やその家族は、やはり知的能力や意識やモラルが高い ○ だから、農奴出身や労働者専門階級(笑)は、やはり本当は劣等感を持っている ○ 本気でプロレタリアートバンザイと思っている者は少ない ○ 商売気のない医者や教員などのインテリ層にとっては、住みやすい世界 ○ ブランドものや、高級品、贅沢品は原則として売ってないから、物欲は刺激されない ○ 服装も共産主義諸国共通のダサイものだが、なかには毛皮などの高級品(に見れる)ものを来ているものがいる しかしそれは共産主義になる以前の時代の、時代物だから、よくみると古色蒼然(笑) ○ それで制限のなかでもお洒落はしたいのが女性の性 限られた範囲内でお洒落を試みるが、まあ、多少のデザインの差だけ(笑) やりすぎると、奇抜なものだったり、悪趣味になる ○ 資本主義世界の激しい生存競争で生き抜く能力がないくせに、それに憧れる ○ 初期の共産主義時代には、資本主義諸国と同等の工業製品や建物などを誇っていたのだが、競争の無い世界では、進歩が無いから、すべてが老朽化して旧型になってしまって、みすぼらしくなって、資本主義国の繁栄?に遠く置き去りにされる ○ ポーランドなどでは、昔、米国に移住した金持ち?の親戚を「アメリカのおじさん」と呼んで頼りにする(まあ、当時のポーランド人に比較すれば米国の庶民でも金持ち)(笑) ○ 現地通貨は価値と権威が無い ドルが強い通貨として珍重される ○ 前世紀の遺物のような進歩の無い自動車でも一家にとっては誇らしい それにちゃんと動く(笑) ○ この共産圏の最新型自動車は、原価や効率など無視した製造法で作られているから、車体は重くて分厚い鉄板で出来ていて、事故にあってもビクともしない(笑) ○ もっとも東ドイツでは主な材料が固めた段ボールという車が堂々と人気車だった ○ 中にはフィアット製の乳母車のサイズの超小型車もあったが、堂々と高速道路を走行 ○ 全体にスピードを出せる車が少ないから、交通事故も比較的、少ない ○ 物資不足だから、職場で働くのはそこそこにして(笑)、買い物の列に並んだり、少々のアルバイトをしたりする ○ といっても、土地と物価が安いから、郊外に別荘を持っている人間も多い そこの家庭菜園で野菜を栽培して食糧不足を補う ○ 街にはレストランが少ない おまけに値段が高いから食事は家庭ですます ○ 職場の昼食時、オフィスの外に出てレストランに入る人間はほとんどいない 自宅からサンドイッチやチーズやリンゴなどの弁当持参 ○ レストランも外国人が宿泊する高級ホテル以外はまずい ○ 値段が高いと言っても、闇マーケットのある外貨を持っている外国人にすれば格安 ○ デパートも数少ないものの一応ある(笑) しかしそこで売っている国産品は、デザインがダサイし、品質が悪くて外国人にとっては魅力ゼロ ○ 外国人は金を持っているし、良い服装をしている と言っても外国人がみな魅力的で美男美女でもない 国産の(笑)女性達に「鄙には希な美人」が多いというのが数少ない自慢 ○ オペラ・バレエなどの芸術には人民の味方(笑)である国が力を入れていて、入場料は非常に安い 外国人にとってはありがたい事のひとつ ただし、抜きん出たスターは、すぐ、西側に引き抜かれてしまう ○ 旅行しても、観光地にはなんにも無い ありのままの自然があるだけ ○ 闇ドルの売人が横行する わずかの差額をかせぐらしい 韓国など、いまでも空港でドル買いがいるが、いったい、もうかるのかな~? ○ 資本主義の国に較べて、圧倒的に娯楽が少ない せいぜい映画とか芸術鑑賞などの清潔系の娯楽しかない 飲み屋や風俗系が不足している(笑) 猥雑さや淫らさ(笑)の無い世界というのは、多様性に欠けて実に退屈なものだ 風俗など、例えば私のように絶対利用しなくても(本当?)、あるというだけで豊かな気持ちになる (オイオイ) こういう点で、共産圏の国に長く住んでいると、退屈でヒマをもてあまして、西側に息抜きをしに出かけたくなる ―――― ◇ ―――― 同じ共産主義国でも、体制の締め付けが厳しい国もあれば、そうでない国もある そ~ゆ~違いには、ここでは、触れていない 当局にスパイを勧誘されたりしたことにも触れていない 知り合った人に、変に、妙に、しつこく接近されたりすることにも触れていない それについては、また別に書こうと思う お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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