世代間戦争としての「原発再稼動」
池田信夫 2014年11月08日20:39 川内原発の「再稼動」が決まったことで、また原発が注目を集めているが、 NHKニュースの世論調査はちょっと意外な結果だ。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141108/k10013042661000.html 上の図のように、「賛成」と「どちらかといえば賛成」を合計した回答は、 30代以下でもっとも高い。 この結果について、小林傳司なる人物が、次のようにコメントしている。 ---- 場合によっては事故は起こるかもしれないけれども、 今の経済とのバランスを考えたときに、 危険を覚悟のうえで選んだという感じがする。 ただ、危ないかもしれないからやめておこうという議論と、 危ないかもしれないけれども受け入れようという議論は、 どちらが合理的か簡単には決められない問題だ。 ---- これは誤りである。 ● 原発事故によって死者が出るリスクは、日本では(福島を含めて)ほぼゼロだが、 原発を違法に止めて所得が低下すると、 坂本龍一氏のような高度医療を受けられない人は早く死ぬ。 石炭火力に切り替えると、年間数百人が多く死ぬ。 エネルギー問題には、トレードオフはない。 国連やOECDのすべての統計で、もっとも安全で安価でCO2を出さないエネルギーは原子力なのだ。 これは財政危機と同じ「世代間戦争」である。 先の短い老人にとっては、現状維持して負担を先送りすることが合理的だが、 若い世代にとっては増税やエネルギー価格上昇で貧困化するコストが大きい。 老人が原発を止めて借金でボロボロにした日本経済で、 そのコストを負担するのは30代以下の世代である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.11.09 11:55:50
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