若い頃の話だが
ポーランドに短期滞在していた時期があった
東欧には珍しく、プラント案件(繊維工場)が二・三件、あって
出張していたのだが
せっかくだったので、ポーランド語を習得してやろうと
ワルシャワ大学の外国人向けのポーランド語の夏季短期講座を受講した
場所は市内のワルシャワ大学の構内の校舎のひとつ
校舎と言っても大きな古色蒼然とした宮殿風だった
その校舎には、昔、若い頃のショパンが音楽講師だった
父親と家族と共に住んでいた事がある、と、聞かされたが
講座の申し込みのために
中欧や東欧独特の広く緩やかな階段を上っていった
古い建物なので、階段にも廊下にも照明などはあまり無い
がらんとした大きな部屋の窓際に大きな机があって
色白な若い女性が座っていた
そばに秘書の様な中年女性が
少し小さめの机の前で座っていた
近づいていって、ポーランド御講座の申し込みの部屋はどこか?と英語で聞いた
まだ、ポーランド語などはしゃべれない
すると、その女性が「ここで受け付けます」と英語で答えた
若々しくて美人である
ただ、柔らかく微笑するでも無く
少しすました表情で私を見る
そこで受講の手続きをした
講座の開始の日が来た
講座は、夕方の時間に始まる
教室に入ってみると、十数人の受講者が着席している
ほとんどが白人だが、数人、東洋人や黒人もいる
男女の比率は、男性の方が多そうである
まもなく、講師が入ってきた
驚いたことに、あの受付の(笑)若い女性である
ーーー 続く ーーー