岡田監督が初の暴行退場!虎戦士燃えた、劇的サヨナラ勝ち
「あんなん誰が見ても後ろの打球で…。あれが守備妨害で、接触で。どっちがぶつかっとるんや。(鳥谷は)バッターボックスの中におるのに」
勝利後のテレビインタビューは受けなかった。4日から訴えている足腰の痛みが辛い。会見場のプレスルームのイスには座らず、その横の通路に立ったまま応じた。劇的な逆転サヨナラ勝ちの裏で納得できないものがあった。
ドラマの入り口は八回無死一塁で打者・鳥谷の場面だ。その初球、サインは「バント」。完封ペースだったオリックス先発・平野佳の141キロ高め直球をバントするも、打球は自分の後方にポーンと上がった。捕手・日高が捕球に走り打席内の鳥谷と接触。足がもつれて倒れ込んだ。谷球審はすぐさま「守備妨害」を告げたが、この判定に指揮官がブチ切れた。
「“ルールを説明したら引き下がったる”と言うたんやけどな。(球審によると)しようがないプレーらしいわ。それだけよ」
退場劇が呼んだ逆転ドラマ。サヨナラ死球の鳥谷(中)にナインが駆け寄った
20時18分から始まった猛抗議。背番号80は左打席付近に立ち谷球審と相対した。右手人さし指を突き出しまくし立てる。10分過ぎても収まらず、さらに応酬は激しくなりついに同球審を左手で突いた。「暴力行為で退場」がコールされる。スタンドからは怒声が響き、今季初めて聴く「岡田コール」まで…。
「オレは暴言言うてへん。向こうが暴言を言うたから突いただけや。オレは言うてない」
★抗議文提出へ
阪神・沼沢正二球団本部長は8日の試合後、岡田監督と話し合い、週明けにも、セ・リーグ連盟に抗議文を提出する考えを明かした。
内容は主に3点。「明確な守備妨害の理由を求めたい。ルールで説明してほしいと。そして、何で他の審判も呼んで協議してくれなかったのかということ。あとは、前から言っていますが、ビデオの必要性があるんじゃないかということです」と説明。逆転サヨナラ勝ちをおさめたが、どうにも腑に落ちない判定。“白黒”はキッチリつけるつもりだ。
すべては鳥谷から!ドラマ作った「守備妨害」&押し出し死球
「必死というか、この試合は絶対に落とせないと思った」
自らまいた種だった。八回無死一塁でバントを試みるも後方への小飛球に。「ファウルだと思った」という白球を目で追った瞬間、捕手・日高に左足を踏まれ、その場にうずくまった。
「スパイクのひもに引っかかったみたい。僕は動いてないし、どうなったか分からない」。このプレーが守備妨害を取られ、判定に抗議した岡田監督が退場。納得いかなかったが、早大の後輩として、指揮官の熱い魂をくみ取った。だからこそ最後は自分で決めるつもりだった。
「ここに立っているのが恥ずかしいです…。これからも一戦必勝で頑張ります」
球児が劇勝お膳立ての3人斬り「勝ったのは監督のおかげ」
「きょうは勝たんとアカンでしょう」
指揮官不在に加え、プロ初登板初先発のルーキー・上園が圧巻の好投。負けられない理由はまだあった。5日の楽天戦(フルスタ宮城)では1点リードの場面で九回を託されながらセーブに失敗。結局、今季初勝利が転がり込んだが、それ以来のマウンドで悪夢を払拭したかった。
「勝ったのは監督のおかげでしょう」
「監督がカツを入れてくれた」選手会長・赤星が同点ホーム
岡田監督の退場劇には「日高が目測を誤っていったん、前に出たのに…。谷さん(球審)が見ていないのを僕も見ていた。ベンチも納得できなかった。監督がカツを入れてくれたのかな。これで逆転できなかったらダメだと思った」と振り返った。選手会長は抗議中も、ベンチから飛び出さんばかりに最前線に立っていた。
★林、ここぞで二塁打!
「あの雰囲気の中で何とかしたかった。3三振は(タイミングが)合ってなかったけど、チャンスで打てればと思ってた。打ててよかった。(最後の本塁生還は)あれっていう感じでしたね」