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第二次大戦開戦にあたり、吃音だった王を支えた男との物語英国王のスピーチを見ました。



英国王のスピーチ
The King's　Speech

出演
ヘレナ・ボナム・カーター　ジェフリー・ラッシュ コリン・ファース(アカデミー主演男優賞) ガイ・ピアース
ティモシー・スポール マイケル・ガンボン デレク・ジャコビ
監督
トム・フーパー

アカデミー作品賞＆監督賞＆脚本賞＆主演男優賞＆NY批評家協会賞男優賞＆ゴールデングローブ男優賞

突然退位した兄に変わり英国王となったジョージ６世。彼は幼い頃からきつ音に悩まされ、人前に出ることが苦手だった。厳格な父・英国王ジョージ5世はそんな息子を許さず、さまざまな式典でスピーチを命じる。どんな治療を受けても一向に改善しない夫を心配した妻エリザベスは、ある日新聞広告で見つけたオーストラリア人の言語聴覚士ローグのもとを訪れる。固く閉ざされた心に原因があると気付いたローグは遠慮のない態度と独自の治療法で王の気持ちを解きほぐしていく。

吃音に悩む英国王ジョージ6世が周囲の力を借りながら克服し、国民に愛される王になるまでを描く実話に基づく。

実は彼は王になるはずではなかった。本当ならば王族の次男坊として、兄王を支えるナンバー2で良かったのだ。ところが兄があの有名なシンプソン夫人との結婚を選んだがために、突然王位が降って来る。“王位を賭けた恋”などと聞けばいかにもロマンティックだが、物語にはその後がつきものだ。後始末に追われてしまったジョージは、生来の吃音が更に酷くなってしまう。そんな彼を助けたロ―グもまた、なりたい自分になれないうっ屈を抱えた男だった。立場や出身国が違っても心情は通じ合えた。勿論、様々な紆余曲折を経てのことだが。

その紆余曲折の一つ。例え王族であろうと自宅への訪問スタイルを頑なに貫いたロ―グは、王に対しても遠慮がない。ところが、たった一度だけその禁を破り宮殿に出向き謝罪しようとする。ジョージは面会を断るが、ロ―グの想いはしっかり受け止めていた。

ジョージの弟は病気により早世し、ジョージ自身も吃音、そして兄は奔放。これほど自由でオープンな王族が世界にいるのだろうか。議会も王族と対等で、時に協力者でもある。そして国民との距離も近い。羨ましいような三者の関係だ。

さて、ロ―グに見守られて無事スピーチを終えた王を、妹のキャロラインは「素晴らしかった！」と絶賛するが現女王エリザベスは「ちょっと前半は詰まった」と冷静に分析したコメントを残す。後の王位継承者らしいしっかりした性格が幼少時から現れていたようで、なかなか微笑ましかった。



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