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カテゴリ:日本の作家が書いた歴史小説
みなさん、こんばんは。昨日はすごい雷雨でしたね。
今日も雨のようです。今日行けば三連休だ。わーい。 さて、こちらは江戸時代が舞台の歴史小説です。 枝豆そら豆 上下巻 梓澤 要 紙問屋の小町娘おそのと侍女お菜津。二人は同じ男性、旗本の三男坊、達川真之介を好きになる。 そして18年後、お菜津とおそのは、側室お夏の方と一膳飯屋の子だくさんの母親として再会。 子だくさんの家にぎゅうぎゅう詰めに暮らしていた「お菜津」が枝豆。大店の一人娘としておっとり育てられた「おその」がそら豆。全く逆の性格ながら、お互いの一番の理解者であり続けた彼女達の友情は、永久不変のものに思われました。たとえ、身分違いなんてものがあっても。 けれど、ただ一つ。女の友情が壊れる原因として、現代にも存在する恋愛という厄介なものがありました。町娘、お菜津の気持ちがいじらしい。かと言って、やり切れないおそのの気持ちもわかる。二人ヒロイン、いずれも甲乙つけがたし。罪つくりは男ですなぁ。 物語は、前半は青春もの&恋愛もの、後半は、成長した彼等の活躍を中心にした御家陰謀もの&旅ものという全く違った顔を持っています。二つを繋ぐのが、「東海道往来」という読物です。この本は、江戸時代の寺子屋教育で使用された往来物と呼ばれる読物で、江戸より京都にいたる宿駅、53駅が七五調で詠みこまれているのが特徴です。「都路は,五十次余りに三ツの宿、時えて咲や江戸のはな、波しづかなる品川や、頓て越へくる川崎の」と延々続きます。前半、病に臥すお菜津の妹の見舞いに真之介が度々訪れます。お菜津の末弟が、やって来る真之介に、この暗唱をかけて勝負を挑みます。お菜津やその弟妹と真之介が親しくなっていく橋渡しになっているのが、この「東海道往来」。 さて後半、実は御法度なのですが、お夏の方とおそのが、別行動を取りながら、東海道を旅します。そして、かつて暗唱に勝った弟は、今やお夏の方の側用人。旅に付き添い、まさに「東海道往来」に書かれた道のりを、そのまま自分の足でなぞるわけです。そしてもちろん、本当の旅は物語通りにはいきません。思わぬアクシデントの連続です。お忍びのため、行動に制約がかかります。「毎回彼等がどう切り抜けるか、いい所で終わりになり、新聞連載中、さぞや明日が楽しみになっていたのでは?」などと想像してみます。お夏の方と一致協力する兄弟達の関係は、著者の別作品「橘三千代」と少し似ています。けれど、橘三千代の場合と異なるのは、彼等が藩主の側室という妹の地位に寄りかかる生き方を選ばなかった事。あくまで町人、職人としてまっとうな栄達しか望まなかった事。彼等の矜持に胸がすく思いです。一方、おそのだって負けちゃあいません。「そら豆」おそのが、かつてとは全く逆の枝豆のような暮らしをしますが、心優しく機転が効く枝豆達を、精一杯愛します。その中で揉まれた 一つのひ弱なそら豆が、ちゃあんと立派になるのですから、おそのあっぱれ、と言いたくなります。 二人ヒロインと、彼女達を支える人達の、損得抜きで結ばれた絆がすがすがしい印象を与える作品。 静岡新聞等々14紙に掲載された、著者初の新聞連載小説。
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