映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。昨日まで旅行に行ってきました。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、らんぷの宿と呼ばれる青荷温泉です。
いやーほんとにランプだけでした。真っ暗です。そして夜になるとカメムシがやってきます（笑）。貴重な経験をしました。

さて、こちらは16年ぶりに息子と再会した父親が奮闘する話です。


ブルーノのしあわせガイド
SCIALLA!

イタリア映画

　かつて小説を書いたこともある元教師ブルーノは、今はゴーストライター業業に精を出しながら、家庭教師もして生計を立てていた。今伝記を書いているのはポルノ女優。気ままな独身生活を送る彼は、ある日、補習塾に通う生徒ルカの母親からの頼みごとを受けることになる。それは、彼女が仕事で半年間留守にする間息子を預かるという内容で、驚くことに、カは15年前にブルーノとの間にできた実の息子だというのだ。

　原題シャッラ！は「何とかなるさ」という軽いニュアンスの言葉。さすがラテンだ。というか、いくら自分がアフリカでやりたい仕事があるからって、そのタイミングで「あなた父親よ」って打ち明ける母親もどうなんだ。打ち明けたくなかったから今まで言わなかったんだろうに。ということは、しゃべったら「ブルーノが息子に父親宣言しない」という確信もなかったわけでしょ。いや、案の定途中でブルーノ、しゃべっちゃうんですけどね。

　にわかパパになってしまった冴えない中年男性が、不器用ながら息子と関係を築いていこうと奮闘するうち、かつての情熱を取り戻していくコメディタッチのヒューマンドラマ。

　かつては才能をきらめかせたこともあるし、ゴーストライターがつとまってる程度には、多分フツーよりちょっとは才能がある。教師のテクも衰えたわけではないのは、途中から本気になってルカに教える様子からもわかる。また、かつての教師生活も、大人とは確かにぶつかったかもしれないが、一部の生徒からは慕われていたようだ。でも気楽な独り者だから、教師も作家も特に伸ばしたい動機がない。その動機となり得たのが息子だったわけだ。

　まあこの息子も授業はさぼるわ、頭悪いわ、アフリカに単身赴任しちゃう母親よりも、自堕落な父親にそっくりのダメ男。今まではいい加減さを許してくれたから好きだったブルーノが、突然スパルタに目覚めれば、当然反発するはず。しかし、自分のために一生懸命になってくれるブルーノの教師としてより父の姿に心が動かされ、ラストには父親よりもオトナの選択が出来るようになっている。いい加減なラテン気質はこれからも多分出て来るだろうが、この父子には、体の中心にしっかり芯が通っているから、きっと大丈夫。

映画「ブルーノのしあわせガイド」
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