【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

カレンダー

コメント新着

お気に入りブログ

海を楽しむ(沖縄友人… New! ちーこ♪3510さん

Vフォー・ヴェンデッ… New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

絶賛、大豆の収穫中(… 天野北斗さん

憂きも一時 小烏丸の”てる”さん
いもたこなんきん クロ麻呂さん

プロフィール

hoshiochi

hoshiochi

キーワードサーチ

▼キーワード検索

全て | 料理&お菓子&旅&演劇&その他2 | フランス映画 | 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ) | その他の地域の映画&ドラマ | アメリカ映画 | 韓国映画 | 真田広之 | 韓国ドラマ | アメリカドラマ | その他のジャンルの日本の小説 | 日本のミステリー小説 | イギリスドラマ | よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥 | 漫画・アニメ | 日本ドラマ | 中国&台湾映画 | 日本の作家が書いた歴史小説 | 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル | 東欧・ロシア映画 | イギリス&アイルランド映画 | オランダ映画&オランダドラマ | 北欧映画 | その他のジャンルの海外小説 | 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル | 日本映画 | 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | カナダの映画&ドラマ | ドイツ映画&ドイツドラマ | 日本のファンタジー小説 | 海外のミステリー&ファンタジー小説 | 堺雅人 | 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇 | 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ | 山田風太郎 | 香川照之 | 松山ケンイチ | 海外の作家が書いた歴史小説 | ジェイク・ギレンホール | イギリスドラマ:SHERLOCK | 塩野七生 | 吉田鋼太郎 | イタリア映画&イタリアドラマ | ローズマリー・サトクリフ | 大杉蓮 | ベネディクト・カンバーバッチ | インド映画 | 長谷川博己 | 内野聖陽 | 林遣都 | ムロツヨシ | ジョシュ・オコナ― | 井浦新 | 菅田将暉 | ディーン・フジオカ | 台湾ドラマ&中国ドラマ
July 1, 2017
XML
みなさん、こんばんは。7月ですね。福原愛ちゃんおめでたですね。かわいいお母さんになりそう。

ところで夏目漱石の『三四郎』を読んだことはありますか?
今日紹介する作家はその中に登場します。

アフラ・ベーン 「閨秀作家」の肖像
Aphra Behn
福岡利裕
彩流社

夏目漱石の「三四郎」で、タイトルロールの三四郎が学校の図書室に行くと、本の中の文章に線が引いてある。三四郎が、ある本を開くと「またここにも線が!」とうんざりする。その‘ある本’こそが『オルノーコ』である。アフラ・ベーン自身と著作について「英国の閨秀作家だ。十七世紀の」と説明する件もあるが、正直話の筋にはあまり関わりのない所なので、印象に残っていない読者もいるだろう。

 そもそも『オルノーコ』とはアフリカの王国の王子の名前だ。彼が絶世の美女イモインダと恋仲になるが、老王がイモインダに目をつけていたため彼女は売り飛ばされてしまう。オルノーコも騙されてイギリスの奴隷船の船長に捕まってしまう。南アメリカのスリナムのプランテーションでイモインダと再会。ここまでならハッピーエンドだが、イモインダが妊娠。自分の子供が奴隷になることを憂えたオルノーコは皆に反乱を呼び掛ける。反乱は失敗し、オルノーコは厳しい拷問を与えるバイアムを殺して自分も死のうとする。しかし自分の死後イモインダが辱めを受けることを憂えて彼女を殺してしまう。イモインダは愛する夫に喜んで殺されていくが、残されたオルノーコは、逃げればいいのに茫然としていたため簡単に捕まえられ、手足を切断されて死んでしまう。

 「ストウ夫人の『アンクル・トムの小屋』よりも遥か昔に尊厳を持つ奴隷を描いた」とあるが、作品自体は奴隷制を否定していない。そして、ざっと書いた粗筋からも、オルノーコが少なくとも現代の感覚からすれば、少しもヒーロー的ではないのがおわかり頂けるだろうか。かなり場当たり的に反乱を決め、仲間達が「自分達だけなら逃げるが、妻も子供もいて逃げられない」と訴えたのに対して、かなり自分勝手な論理を振り回している。よくこれで人がついてきたものだ。そして妊娠している妻を「殺そう」と判断し、妻が嬉々として死んでいく…という件も現代感覚では受け入れ辛いだろう。

 アフラ・ベーンも謎が多く、「ベーン」は結婚相手の姓だ。かなり年の離れた夫だったらしく、繰り返し「望まぬ結婚をするよりも、愛に生きた方がいい」というテーマの作品を書いている。「オランダでスパイをしていた」という噂もあるが、彼女は繋ぎに過ぎない。何かと問題があった男性と恋愛関係にあったアフラに白羽の矢が立ち、何度か手紙を国王に送っているが、よその土地に入るにもかかわらず資金援助がなく、最後は借金をしてイギリスに帰って来る。それでも我慢できたのは彼女がガチガチの王党派だったからだ。

 面白く紹介しようという意図よりも、同じような表現が何度も登場し、研究発表の趣が強い。

 なお、『オルノーコ』は2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」に選出されている。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  July 1, 2017 12:00:12 AM
コメント(0) | コメントを書く
[日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル] カテゴリの最新記事


PR


© Rakuten Group, Inc.