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みなさん、こんばんは。お雛祭りですね。
こちらは13才のエル・ファニングが実年齢より上の役を演じた映画です。演技力が素晴らしい。

ジンジャーの朝 さよなら、私が愛した世界
GINGER & ROSA

出演
エル・ファニング　アレッサンドロ・ニヴォラ　アネット・ベニング　ティモシー・スポール　オリバー・プラット

監督＆脚本
サリー・ポッター

　冷戦下の1960年代ロンドン、ジンジャーとローザは何をするのも一緒の幼なじみ。思春期を迎えた二人は学校をさぼって宗教や政治、ファッションについて議論し、反核運動に興味を示すなど青春を過ごしていた。しかし、ローザがジンジャーの父親ローランドに恋心を抱いたことや反核運動への意見の相違から、二人の友情に溝が広がっていく。

　冒頭は1945年の広島、長崎の原爆投下シーン。日本人はこのシーンが登場するとはっとなるが(最近ではそうでもないのか)、戦勝国にとっては核戦争の始まりを告げる出来事であり、長い長い第二次大戦の終わりを決定づけるイベントだった。

　核戦争が他人事でない時代は60年代にやってくる。1945年に同じ病院で母親が出産したことで、自然と親友になったローザとジンジャー。ローザは父親が出ていった事から「親友の父親」でなく名前で呼ばせるローランドにファザコンめいた愛情を抱いていく。例え親友であっても過ごせる時間はとても短い。ジンジャーは「いつ爆弾が落ちてきて自分達が死ぬかもしれない」という核戦争の恐怖に怯え、学業より運動にのめりこんで行く。隣にいたはずのローズは、いつの間にか自分と共通点があるローランドを助けたいと思う。

　大人達によって、無理矢理に子供時代を終わらせられてしまった少女に共通の、悲しみと諦念が混じったような表情、あれこれと考えるけれど結局はやっぱり子供で、自分一人で抱えていられなくて、ぽろぽろと涙をこぼしながら大人達に訴える表情など、13歳にして4才上のティーンを演じ切ったエル・ファニングの演技が素晴らしい。それも、言葉を発するシーンよりも黙って目の前の出来事を見ているシーンが特に。何も言わないけれど、いろいろな感情が渦巻いている事がわかる。



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