【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

カレンダー

コメント新着

お気に入りブログ

スター・ウォーズ エ… New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

田植えは28日から(`… 天野北斗さん

中山平温泉と石巻(宮… ちーこ♪3510さん

4月☆ fujiうさぎ=^・^=さん

憂きも一時 小烏丸の”てる”さん

プロフィール

hoshiochi

hoshiochi

キーワードサーチ

▼キーワード検索

全て | 料理&お菓子&旅&演劇&その他2 | フランス映画 | 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ) | その他の地域の映画&ドラマ | アメリカ映画 | 韓国映画 | 真田広之 | 韓国ドラマ | アメリカドラマ | その他のジャンルの日本の小説 | 日本のミステリー小説 | イギリスドラマ | よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥 | 漫画・アニメ | 日本ドラマ | 中国&台湾映画 | 日本の作家が書いた歴史小説 | 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル | 東欧・ロシア映画 | イギリス&アイルランド映画 | オランダ映画&オランダドラマ | 北欧映画 | その他のジャンルの海外小説 | 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル | 日本映画 | 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | カナダの映画&ドラマ | ドイツ映画&ドイツドラマ | 日本のファンタジー小説 | 海外のミステリー&ファンタジー小説 | 堺雅人 | 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇 | 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ | 山田風太郎 | 香川照之 | 松山ケンイチ | 海外の作家が書いた歴史小説 | ジェイク・ギレンホール | イギリスドラマ:SHERLOCK | 塩野七生 | 吉田鋼太郎 | イタリア映画&イタリアドラマ | ローズマリー・サトクリフ | 大杉蓮 | ベネディクト・カンバーバッチ | インド映画 | 長谷川博己 | 内野聖陽 | 林遣都 | ムロツヨシ | ジョシュ・オコナ― | 井浦新 | 菅田将暉 | ディーン・フジオカ | 台湾ドラマ&中国ドラマ
August 21, 2018
XML
みなさん、こんばんは。高校野球も今日が決勝戦ですね。
今日はフィリップ・K・ディックのSF作品を紹介します。

高い城の男
The Man in the High Castle
フィリップ・K・ディック
ハヤカワ文庫SF

 アメリカ美術工芸品商会を経営するロバート・チルダンは、通商代表部の田上信輔に平身低頭して商品の説明をしていた。第二次大戦が枢軸国側の勝利に終わり、いまや日本とドイツの二大国家が世界を支配している。戦後真っ二つに分断されたのは、朝鮮半島ではなくアメリカだった。サンフランシスコは、日本の勢力下にある。一方、枢軸国が負けた設定の本『イナゴ身重く横たわる』が発禁処分を受けながら密かに話題になり…。

 歴史改変のバリエーションは数々あれど、このジャンルではヒトラーが大人気だ。それほど現実の彼のインパクトは大きい。ところが本作では、生きてはいるものの台詞はない。戦争に勝って既にイデオロギーも浸透し、安定政権が望めるため、カリスマとしてあちこち出歩く必要がないのだ。首相はマルティン・ボルマン(リアルではナチスのナンバー2)で、作家フェルディナント・フォン・シーラッハの祖父バルドゥール・フォン・シーラッハがイケメン幹部として人気がある。

 ディックの他作品でも扱われたモチーフ「本物と偽物」が登場する。田上はロバート・チルダンを介して得た装飾品に道(タオ)を感じ、不思議な体験をする。装飾品は模造品=偽物だったが、田上にとっての価値は本物以上の価値がある。ならば本物に価値はあるのか。

 もう一つの「本物と偽物」はクライマックスに訪れる。『イナゴ身重く横たわる』の作者はタイトルロールの「高い城の男」だ。「世界を作り出す力を持ち」「難攻不落の高い城に住む」存在で、かつ名前がアベンゼン=ABEND(プログラムの異常終了)+SEN(=Son 息子)となれば、その象徴するものは見当がつく。その彼にして自分の意思ではない方法で未来を決めているが、人間はそうではなく、自分の意思で人生を切り開けるというメッセージが感じられる。

 本作はもう一つの問いを投げかける。小説世界でも、お互いに勝者であるはずのドイツと日本は核開発競争に鎬を削り、結局敵対する羽目になる。一方現実でも東西冷戦で勝者同士のソ連とアメリカが宇宙開発と核開発で争う。もしかしたら、どちらが勝っても似たような問題が出て来たのかもしれないのではないか。「いいえ、今のこの状態で良かったんですよ」と言える人は、少なくとも現在、誰もいない。


高い城の男【電子書籍】[ フィリップ・K・ディック ]​​楽天Kobo電子書籍ストア







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  September 9, 2018 12:24:47 PM
コメント(0) | コメントを書く
[海外のミステリー&ファンタジー小説] カテゴリの最新記事


PR


© Rakuten Group, Inc.