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カテゴリ:その他のジャンルの海外小説
みなさん、こんばんは。都議会選挙、自民党過半数取れませんでしたね。今日も韓国小説を紹介します。
続けてみます ファン・ジョンウン オ ヨンア (翻訳) 晶文社 幼い頃に父を工場の事故で亡くしたソラとナナは、父を事故で亡くして以来生活の意欲を日々失っていく母と行き着いた暗い半地下の住居で、少年ナギと出会う。人生に否定的な母の言葉から抜け出せないまま大人になる姉妹と、行き場のない思いを抱え、暴力に飲み込まれていくナギ。世界の片隅でひっそりと寄り添う3人に訪れる未来のかたちとは。 …と問いかけるが、ざっくり読んで明るい未来を想像できる? 物語は「ソラ」「ナナ」「ナギ」「ナナ」四部構成で、それぞれに語り手が変わる。トップバッターは姉妹の長女ソラ。本当は違う名前=瓜のはずだったのに、祖父が間違えて芹と名付けてしまった。父親は工場の歯車に挟まれて真っ二つになり、母は生きる気力を失くしてしまう。何せ毎日毎日ソラとナナにこんな事を言う。 「世界は恨みで満ちているんだからそんな世界で生きることは苦しみでしかない、と彼女は言う。誰もが自ら苦痛を選んでいるのだと。必滅、必滅、必滅しかない世界に意味のあるものなど何もないんだから。無理してがんばることもないし、もがいたところで苦しみが増えるだけだから。起きることをいちいち深刻に受け止めたところで、ある日突然、理由もなく悲惨な死を迎えることになるのだから。楽しみも、意味もなく、楽しいとか意味があると錯覚して少しずつ死に近づいていくだけなんだから。どちらにしたって、死んでしまえばそれでおしまいなんだから。」 いやすごいな。よくこれだけマイナスポイントの言葉を連打できるもんだ。まだ来てもいない娘の未来への希望を、音を立ててへし折り、あげく施設に入ってからも同じ口癖を言い続ける 母。彼女が自分のロールモデルなので、当然ソラも結婚や子供を持つというイメージが持てない。それなのに妹ナナはいつのまにか妊娠してしまった。 タイトルの言葉を口にするナナは、静かだが強い。母や姉に表立って逆らうことはないが、最も人生への信頼が厚い。 「人間なんて虚しくて、取るに足らない。でも、だからこそ愛おしい」 「その取るに足らなさで、どうにかこうにか生きているのだから。楽しんだり、悲しんだりしながら、頑張っているのだから。一方では思うのです。無意味というのは悪いことなのかなって。」 「世界から見たら無意味かもしれません。無意味に近いほど、取るに足らない存在かもしれません。だからといって尊くないんだろうか、と考えてみると、とてもそうは思えないのです。」 母になるが故の強さなのか、それとも、もともと彼女が持っていた資質なのか。時に傷つけられても、それでもナナは人生を続けることを選ぶ。 彼女達の苦しさを間近で見て程よい距離感を保つナギは、男という要素だけで最も強いと思われがちだが 「お前を待っているのかお前の死を待っているのかわからない」 と呟く、ある男性に執着している作中最もナイーヴな人間。彼もまた続けることを選んだ一人だ。 例え誰も同調してくれなくても、自分一人の部族になっても、生き方を否定されても、それでも続け“てみる”。地味に見える決意が、一日、一日をやり過ごす力になる。 続けてみます [ ファン・ジョンウン ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
July 8, 2021 12:00:19 AM
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