【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

カレンダー

コメント新着

お気に入りブログ

監視者たち New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

2日目名護市内ドライ… ちーこ♪3510さん

絶賛、大豆の収穫中(… 天野北斗さん

憂きも一時 小烏丸の”てる”さん
いもたこなんきん クロ麻呂さん

プロフィール

hoshiochi

hoshiochi

キーワードサーチ

▼キーワード検索

全て | 料理&お菓子&旅&演劇&その他2 | フランス映画 | 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ) | その他の地域の映画&ドラマ | アメリカ映画 | 韓国映画 | 真田広之 | 韓国ドラマ | アメリカドラマ | その他のジャンルの日本の小説 | 日本のミステリー小説 | イギリスドラマ | よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥 | 漫画・アニメ | 日本ドラマ | 中国&台湾映画 | 日本の作家が書いた歴史小説 | 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル | 東欧・ロシア映画 | イギリス&アイルランド映画 | オランダ映画&オランダドラマ | 北欧映画 | その他のジャンルの海外小説 | 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル | 日本映画 | 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | カナダの映画&ドラマ | ドイツ映画&ドイツドラマ | 日本のファンタジー小説 | 海外のミステリー&ファンタジー小説 | 堺雅人 | 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇 | 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ | 山田風太郎 | 香川照之 | 松山ケンイチ | 海外の作家が書いた歴史小説 | ジェイク・ギレンホール | イギリスドラマ:SHERLOCK | 塩野七生 | 吉田鋼太郎 | イタリア映画&イタリアドラマ | ローズマリー・サトクリフ | 大杉蓮 | ベネディクト・カンバーバッチ | インド映画 | 長谷川博己 | 内野聖陽 | 林遣都 | ムロツヨシ | ジョシュ・オコナ― | 井浦新 | 菅田将暉 | ディーン・フジオカ | 台湾ドラマ&中国ドラマ
July 27, 2023
XML
みなさんこんばんは。岸田文雄首相は、東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出計画を巡り、今月中にも全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と面会する方針を固めました。今日は作家桜庭一樹さんが絶賛したノンフィクションを紹介します。

エデュケーション: 大学は私の人生を変えた​
EDUCATED
タラ・ウェストーバー/著
村井理子/訳

 某事件で宗教二世が取り上げられているが、生まれた時から明らかに世の中の大方とは異なる価値観で育った子供が、いざ社会に出てみると苦労する話は枚挙に暇がない。著者もそうだった。

 私が読んだのはこの表紙ではなく、カバーかもしれない。描かれているのはおそらく著者の故郷バックスピークで、何度も名が出てくるインディアン・プリンセスもその中に含まれる。そして、山の向こうに鉛筆でできた山がある。鉛筆=教育を指すのだ。著者が教育を受けたことが、故郷を出ていく契機になった。

 タラは狂信的なモルモン教原理主義者の父の方針で、学校へも通わせてもらえず、病院に行くのも禁じられていた。母親の自然に生えている植物で作った薬やオイルが治療薬で、もちろん予防接種もしない。母親は産婆もやる。擦り傷、切り傷くらいなら何とかなるかもしれない。しかし、父親の命令で廃材処理をしているこの一家は、危険な刃物も男女構わず扱わせるため、かなり深い外傷も受ける。にも拘わらず決して病院に行かせようとしない。保険に入っていないので、治療を受けるとバカ高いというのもあるが、父親が学校・病院など社会の全ては政府の陰謀絡みであると、とかく陰謀論をぶちかます。ややパラノイアの気があり、双極性障害らしい。彼も勿論治療を受けていない。

 自然、彼等の世界は家族だけになる。さすがに近親婚はしないが、学校にも行かないので家族との時間が密になる。タラは、兄ショーンからは、殺されそうな虐待も受けていた。それなのに両親は何も言わない。著者は書いていないが、両親はあまりにも力の強い乱暴なショーンが怖かったのだろう。

 やはりタラがこれではいけないと思ったきっかけは、他の価値観で生きている友人が出来てからである。自らの将来と家族のあり方に疑問を感じたタラは独学で大学に入ろうと決意し、様々な誤解で嫌な思いもするが、奨学金も得て名門大学に入る。おそらく彼女の兄弟も優秀だったのだと思う。しかし父親に逆らう事ができなかった。自分の可能性も試すことができない人生とは何だろう。

 大学に入ったタラを訪ねてきた両親は、娘が変わってしまったという概念から抜けられず、家族か学校かの二者択一を迫る。本来子供が迫られるはずのない二者択一だ。両親から離れた兄タイラーもいたが、両親の態度を改めさせるほどの熱意はない。お互いに交わらない人生を生きると割り切ればいいのに、執拗に「こちら側」に来させようとする両親と対峙するタラの気持ちを考えると「切ない」の一言では言い表せない。成長をやめてしまった親と生きるほど辛いことはない。


エデュケーション 大学は私の人生を変えた / 原タイトル:EDUCATED[本/雑誌] / タラ・ウェストーバー/著 村井理子/訳​​ネオウィング 楽天市場店






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  July 27, 2023 12:00:20 AM
コメント(0) | コメントを書く
[海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル] カテゴリの最新記事


PR


© Rakuten Group, Inc.