映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさんこんばんは。声優 の宮野真守 が離婚していたことがわかりましたね。今日も山田風太郎作品を紹介します。

男性滅亡
山田風太郎
​山田風太郎奇想コレクション
角川春樹事務所

　1954年、ビキニ環礁で第五福竜丸の乗組員が被爆した。196X年10月、ビキニ海域に向かった漁場調査船骸骨丸では、何と、原子虱が男性乗組員の身体の一部(以下XX)に取りついた!取りつかれた部分が腐り落ちてしまい、男達は大混乱。かくして日本は思いがけない国に変貌するが…。

　わざわざ宇宙空間でエイリアンを拾いに行かなくても、似たような、いや、更におかしい話ができてしまったぞ。『エイリアン』の最新シリーズでどうだろう？いや、リドリーやジュネみたく、ビジュアルにこだわりのある監督は、映像化に反対するだろう。思い切って、『アタックオブザキラートマト』の監督に頼んだら？

「XXを取って何の人生であるか。男の一生すなわちXXの一生といってもいいくらいだ。われわれは断じてXXを捨てない。たとえ死んでもXXと運命を共にしたい」身体の小さな部分-でも男性にとっては大事な部分-に起こった事態によって変貌したもう一つの日本は、侵略を受けた場合の必殺兵器として使ったり、「母もの」の代わりに父ものの映画が登場したりと、まさにスラップスティック・ワールド。父もの映画の宣伝文句「夜毎にうずく胸毛の痛み!」には爆笑(どんな痛みだよ+笑)。いつもながら、山風のイマジネーションには涯がない。でもそんなイマジネーションの産物も、全くの絵空事ばかりとは言いきれないのが、怖い所。「できたら、それぞれの男性のせいえきをおさめた試験管に、本人の知能の高低、健康状態、精神状態から性癖まで書いたレッテルをつけておけば、女性はいつでも、自分の欲する男の精子を受胎できるでしょう」なんて、精子バンクを彷彿とさせる(実際にここまで選べるのかは不明)。また、この事態を打開する方法のバカバカしさったらない。これを見たら、『マーズ・アタック!』のラストの方がまだまともだ。そうだ!こうなったら、やっぱりバートンかギリアムあたりに映画化してもらおう!(爆)

　本篇に登場した素広平太博士が、忍者もどきの名前を持つ柔道家・伊賀佐助と、一人の女性を巡って争う未来もの「1999年」、五人五様の女絶ち作戦の顛末が、忍者ものを想起させる「男性週期律」、ミステリィ・タッチの「誰も私を愛さない」「自立神経失調同盟」収録。


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