映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさんこんばんは。肥満傾向の子どもの割合が、昨年度は小中学生の多くの学年で最も高くなったことが分かり、調査した文部科学省は新型コロナの影響による運動量の減少などが要因にあるとみています。
韓国で撮影した日本映画を紹介します。

アジアの天使
The Asian Angel

出演
池松壮亮　オダギリジョー　キム・ミンジェ　チェ・ヒソ

監督＆脚本
石井　裕也

　ひとり息子の学を持つ青木剛は妻を病気で亡くし、疎遠になっていた兄が暮らすソウルへ渡る。兄からは「韓国で仕事がある」と言われていたのだが、剛の期待とは違い、兄はその日暮らしの貧しい生活を送っていた。剛はほとんど韓国語も話せないまま、怪しい化粧品の輸入販売を手伝い始める。一方、ソウルでタレント活動をするチェ・ソルは、市場のステージで誰も聴いていない歌を歌う仕事しかなく、所属事務所の社長と関係を持ちながら、仕事や家族との関係について心を悩ませていた。

　いやまさかコロナ禍で撮影された作品とは。オダギリジョーは怖い役も飄々役もできるけど、今回は頼りになりそうな外見が中身を裏切っていく残念な役。そして天使がああいう姿で出てくるんだ。だから「アジアの」というタイトルなのか。敢えて天使を眉目秀麗にしなかったのは監督の趣味？

　韓国俳優も日本俳優も演技を演技と感じさせない自然な表情で、見ず知らずの二組の家族が、偶然出会い、成り行きで旅をして寝食を共にするうちに、何となく親しくなっていく過程を描く。国籍が違い風習が違うとしても、人間としての共通体験もそれに対する感想も、さほど変わらない。メインロード＝成功者から外れてしまった人たちがお互いを思い合う姿が心和む。日本人兄弟はそれぞれに不器用だな。オダギリジョーはなんだかんだいって弟の危機にかけつけるし、弟は決死の告白がなんだか腰砕けだし。でも、いい人なんだよね。天使は彼ら一人一人だったのかもしれない。

　精力的な映画製作を続ける石井裕也監督が、盟友ともいえる俳優・池松壮亮を主演に据えて韓国でオールロケを敢行した「アジアの天使」を完成。日韓関係の悪化、新型コロナウイルスの脅威など、さまざまな困難を眼前に突き付けられながらも2020年2～3月にスタッフ及びキャストの95％が韓国人という製作陣と乗り切る。この映画の製作過程のドキュメンタリーがあれば面白そうだ。お互いを絶賛しあう俳優部。

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