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みなさんこんばんは。ピアニストのフジコ・ヘミングさんが亡くなりましたね。
映画​サンドラの小さな家​を見ました。

サンドラの小さな家
Herself

監督
フィリダ・ロイド

企画＆脚本＆出演
クレア・ダン

出演
ハリエット・ウォルター　 　コンリース・ヒル
　
　2人の幼い娘を連れて虐待夫のもとから逃げ出したサンドラ。しかし公営住宅は長い順番待ちで、ホテルでの仮住まい生活から抜け出せない。そんなある日、サンドラは娘との会話から、小さな家を自分で建てるアイデアを思いつく。インターネットでセルフビルドの設計図を探し出し、サンドラが清掃人として働いている家のペギーや建設業者エイドの協力を得て建設に取り掛かるが、執念深い元夫に妨害されてしまう。

別れた両親の面会権というのはやっかいだ。幼い子供であれば、意見がストレートに受け入れられることはない。一方で、サンドラは「子供たちに父親を嫌わせてしまっていいものか」という思いがあり、なかなか真実の告発に踏み切れない。だから声の大きい大人の主張が前面に出る。自分が正しいと思い込んでいる人にとっては、たとえ真実だったとしても、不当な中傷・誹謗にしか見えないのだろう。裁判の結果を受けて、思いがけない行動に出ることで、やっとガリーの母親が折れて事なきを得るが、目に見える結果が出てこなかったら、声の小さい者は一生我慢するしかない。

　フィクションとはいえ、家の地所を提供してくれるペギーの存在が何よりの助けである。住宅費高騰の折、ただで土地を提供し、おそらく家賃だって取らないでもやっていけるであろう彼女がいなければ「自分で家を建てる」計画はそもそも発動しなかった。

フィリダ・ロイド監督といえば『マンマ・ミーア！』の父親捜しよりも母親と親友の共闘が強調されていたことが印象深い。今回も横暴な夫に対して、まず女性達が手を差し伸べる。もちろん性別で善悪が分かれているわけでなく、協力してくれる男性陣もいる。

　親友から受けた「ホームレス状態になってしまった」という一本の電話に、大きな衝撃とともに怒りを感じたダンは初めて映画脚本を執筆。その脚本が、フィリダ・ロイド監督、エレメント・ピクチャーズらに強く共鳴した。

　

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