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日本酒類文化振興会

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2010/01/21
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テーマ:お酒大好き(5105)
カテゴリ:日本酒
今まで日本酒を一升瓶4000本飲んできた(とご自身で言われた)男、小川原専務。
縁あって講演とパネルディスカッションを聞く機会に恵まれました。

箇条書きのようになりますが、以下に記録としてメモしておきたいと思います。

ご存知の通り、埼玉県蓮田市の神亀酒造は、小川原専務の死闘ともいえる努力の末、20年以上前(昭和62年)より全量純米蔵として、日本酒業界に刺激を与え続けてきました。
その根底に流れるのは、日本の食文化を大切に守っていこうという純粋な熱い気持ちだったと感じ入りました。

<講演より>
・化学調味料、ブドウ糖、酸類が入った酒は翌日に残る
・白ワインに負けたくないと思ってきた
・最初に純米酒を造ろうとした時、税務当局より「前例が無い」として断られた

・味噌(1年半)、醤油(1年8ヶ月)、鰹節(3年)、酒(2年)といった熟成によってアミノ酸の旨味が載ってくる日本伝統の食品に対して、税制が速く換金を求め、寝かせてくれることを許してくれない。熟成食品は身体にも良いのに。 
⇒熟成期間を不良在庫として見られてきた。ワインは認められていたのに
例えば「酒は1年でサイクルさせるものだ」と当局に言われてきた。これは混ぜ物時代の発想。確かに各種添加物の加えられた酒は1年持たない 

・そうした中で、機械化によって本物のダシの文化から、安直なダシの文化へと流れていった。これを何とか戻したい
・オリンピックに勝つために「肉食」を勧めたことはあるのに、日本の文化を守ろうとしないこの国

・本物を造らないで、日本酒離れを「嗜好の変化」といった外的要因に理由を求めてきた酒造業界
・本物を造れば必ず生き残れる(例:青森の醤油メーカー)
・食文化を支えているのは全国の中小企業(大手は機械化されているので無理)

・景品を付けて酒販店への売込みが一般的だった酒造メーカーの姿勢に、「そんなことをする経費があるなら、もっと美味い酒を造れ!」と一喝した酒販店(故児玉さん)の存在に勇気づけられた

・「農業なくして国成り立たず」のはずが、工業化中心できた日本
・徳島の全農から「兵庫の山田錦が値下げしました。どうしましょうか?」と電話があった。
 それに対して「阿波山田錦は値下げせずとも、日本一の酒造米を造り続けてくれ!それは良い物を造るファイトマネーだ!」と答えた。


<パネルディスカッション>
・酒造りで大変なのは、職人を育てること。機械造りをすると結局機械を使いこなせる人間がいなくなってしまう。機械は導入したその日から、性能劣化・故障等はじまるし。
・神亀酒造は、本当は蔵人5人で間に合うが、人を育てる観点より9人いる

・酒造りのやりがいは、米文化の頂点に関われるということ。そして、食べ物と一緒に楽しんで飲まれている笑顔を見ること。「ウマイ!」というひと言で救われる。

・良い米、良い農家を選ぶ視点は、「酒造りに関して必要とする成分があって、余分なものが無いこと。」例えば、窒素が多くなるとアミノ酸の組成に支障が生じて、苦味が出てくる
・結局、生産者の川下、川上のすべてと仲良くしないとダメ

・酒造りは出発点が大事。全身全霊を込めて造れば、あとは放って置いてもよい。最初に魂が入っていないと酒はどんどん悪くなる

・酒造りは蒸しであれ、麹であれ、酒母であれ、どの工程であっても上手い下手が必ず結果(製品)に現れる。それがアルコールを添加するとスーッと消える。
・今の若い人は、自分の仕事に対してその成果を実感できないケースが多く、可哀想だと思う

・酒の旨い飲み方は「酒だけでは飲まない」。必ず食べながら。料理に合う酒を選べるようになれば旨く飲める。そして肝臓の働きを考えながら。

・身体を冷やさない。一升瓶換算4000本くらい飲んでいるが、燗酒がほとんど。
アルコールは胃壁と腸壁から吸収されるが、胃壁は体温の温度にならないと吸収しない。だから冷酒を飲むと、胃からは吸収されずに腸から一気に胃の何倍かの勢いで吸収され、血中のアルコール濃度が急激に上がってしまう。

<以上、文責は本ブログの記載者である星野にあります。>

その後、9時ごろより懇親会として、昨年の9月にオープンした「新八・有楽町店」(JRの新橋寄りガード下で、神田や丸の内の店より廉価)へ場所を移しました。

酒メニューだけ写真に撮っておきました。
shin8-yurakucho.jpg
当然純米酒ばかりですね。

小川原専務からは神亀・純米大吟醸の燗酒を差し入れいただきましたが、「必ずあとから出てくるクリームチーズと一緒に飲んでくれ」とのことにて、それと一緒に食したら確かに酸味と旨味の調和が抜群でした。流石、脱帽。

ところで、一升瓶4000本と聞いてビックリしましたが、冷静に単純計算すると1年間に80本強。(今年64歳になられる小川原さんは、15歳から飲んでいた(飲まされていた?)と語っていましたから。4000本÷50年=80本)

であれば4.5日に1本だから、1日2合強のペース。
焼酎、ビール、ウィスキーなどすべてのアルコール飲料のアルコール度換算だったら、そのくらい飲んだ人はいると思いますが、日本酒だけで4000本はやはりなかなか居ないかな!?

小川原専務の埼玉への帰路の終電が近づく11時過ぎまで飲んでいましたが、さすが「燗酒」です、夜中に喉の渇きやトイレに起きることも無く、熟睡して翌日も快調でした。
今日はありがとうございました。





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Last updated  2010/01/21 12:02:12 PM
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フジイ@ Re:瀧鯉・純米酒(神戸市東灘区・昔は木村酒造、今は桜正宗)(03/21) 震災前、酒蔵の門で眺めていたら杜氏のか…
よしたか@ Re:若竹・プレミアム純米大吟醸(静岡県島田市・大村屋酒造場)(11/05) 息子と静岡の娘さんとの婚約の席で、若竹…
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