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今日は資料のコピーだけけにする
1 新型インフルエンザ流行時の日常生活におけるマスク使用の考え方 新型インフルエンザ専門家会議 平成 20 年 9 月 22 日 1.はじめに この資料は、新型インフルエンザの国内流行時に、国民が日常生活において マスクを使用する際の考え方を暫定的に示すものである。暫定としているのは、 新型インフルエンザ対策として日常生活におけるマスクの着用がどの程度の効 果があるかは現時点では十分な科学的根拠が得られていないからである。この 資料は新たな科学的根拠をふまえて見直されることがある。 2.マスクの種類 (1)マスクの定義 マスクとは、口と鼻を覆う形状で、咳やくしゃみの飛沫の飛散を防ぐために使用される、または、ほこりや飛沫等の粒子が体内に侵入することを抑制する衛生用品である。 (2)マスクの効能と限界 マスクは、フィルターの部分において、ほこりや飛沫等の粒子が捕捉されることが期待される。対象となる粒子がフィルターの編み目よりも大きければ捕捉される。近年は複数のフィルターの層を重ねることによって、より細かい粒子の捕捉が可能になってきている。 日常生活においてマスクのフィルターで捕捉したい粒子としては、花粉や、咳やくしゃみにより飛散するウイルスを含んだ可能性のある飛沫がある。花粉の粒子の大きさは、20 から 30μmである。また、インフルエンザウイルス等のウイルス自体は、0.1μm程度の大きさであるが、非常に微細で軽いためウイルス単独では外に飛ぶことができない。通常ウイルスが外に出る際には唾液等の飛沫と呼ばれる液体とともに飛散する。飛沫の大きさは 5μm程度である。花粉や飛沫を捕捉することがマスクのフィルターの性能として求められ、それは材質等によって決まる。 しかしながら、吸い込む空気の全てがマスクのフィルターを通して吸い込まれるわけではなく、通常は顔とマスクの間からフィルターを通過していない空気が多く流入する。これらの空気には、花粉や飛沫等が含まれている可能性がある。使用する際にはマスクをなるべく顔に密着させることが求められるが、それでも空気が顔とマスクの間からある程度は流入する。それゆえ、これらの空気とともにウイルスが含まれた飛沫が流入すると感染する可能性がある。また、より密閉性が高いマスクを使用すると、呼吸することが難しくなる。 (3)マスクの分類とその性能 マスクは、一般的に、家庭用マスク、医療用マスク、産業用マスク等に分類される。国民が日常生活において使用するマスクは、家庭用マスクに分類される。主な家庭用マスクには、不織布(ふしょくふ)製マスクとガーゼマスクの2種類がある。新型インフルエンザ発生時に使用する家庭用マスクとしては、不織布製マスクの使用が推奨される。 より高い密閉性が得られるマスクとして、N95 マスクや防じんマスク DS2 と呼ばれるものがある。しかし、これらは医療用や産業用として用いられるものであり、使用にあたっては、使用方法に関する十分な教育や装着後のフィット(顔とマスクの密着性)の確認等が必要となる。また、不適切に着用すると期待される効果は得られない。すなわち、現段階では、これらのマスクは、新型インフルエンザの感染予防策として、日常生活において使用することは想定されていない。 以下に、それぞれのマスクの性能について記載する。 1)不織布製マスク 不織布とは織っていない布という意味で繊維あるいは糸等を織ったりせず、熱や化学的な作用によって接着させたことで布にしたもので様々な用途で用いられている。市販されている家庭用マスクの約 97%が不織布製マスクである。 不織布製マスクの形状は、大きく分けて2つのタイプがあり、立体的になるプリーツ構造を採用した「プリーツ型マスク」および顔のラインに沿った形状で密着性を高めた「立体型マスク」がある。 不織布製マスクは、薬局やコンビニエンスストア等で通常購入することが可能であるが、商品名や形状等は、メーカーによって様々である。マスクが不織布製であるかどうかは、製品の袋に記載されていることが多い。 ちなみに、サージカルマスク(外科用マスク)は、医療用の不織布製マスクのことを指し、手術時に医療従事者の唾液等を患者の手術部位に飛ばさない等の目的で使用される。サージカルマスク(外科用マスク)は、新型インフルエンザ流行時の日常生活における使用においては、家庭用の不織布製マスクとほぼ同様の効果がある。 プリーツ型マスク立体型マスク 2)ガーゼマスク ガーゼマスクは、綿織物を重ね合わせたマスクである。 市販されている家庭用マスクの約 3%がガーゼマスクである。 様々な改良が行われているが、ガーゼマスクのフィルターの性能は、環境中の飛沫を捕捉するには十分な効果が得られない。咳エチケットとして使用することは可能であるが、フィルターの性能を考えると、前述した不織布製マスクがない場合に使用を検討する。 3.不織布製マスクの使用方法 (1)咳・くしゃみなどの症状のある人が使用する場合 咳・くしゃみなどの症状のある人は、周囲の人に感染を拡大する可能性があるため、可能な限り外出すべきではない。また、やむを得ず外出する際には、咳・くしゃみによる飛沫の飛散を防ぐために不織布製マスクを積極的に着用することが推奨される。これは咳エチケットの一部である。 (2)健康な人が不織布製マスクを使用する場合 マスクを着用することにより、机、ドアノブ、スイッチなどに付着したウイルスが手を介して口や鼻に直接触れることを防ぐことから、ある程度は接触感染を減らすことが期待される。 また、環境中のウイルスを含んだ飛沫は不織布製マスクのフィルターにある程度は捕捉される。しかしながら、感染していない健康な人が、不織布製マスクを着用することで飛沫を完全に吸い込まないようにすることは出来ない。 よって、咳や発熱等の症状のある人に近寄らない(2メートル以内に近づかない)、流行時には人混みの多い場所に行かない、手指を清潔に保つ、といった感染予防策を優先して実施することが推奨される。 やむを得ず、新型インフルエンザ流行時に外出をして人混みに入る可能性がある場合には、ある程度の飛沫等は捕捉されるため、不織布製マスクを着用することは一つの防御策と考えられる。ただし、人混みに入る時間は極力短時間にする。 (3)その他(小児が着用する不織布製マスク) 小児用の不織布製マスクも市販されている。小児、特に幼児は不織布製マスクを正しく、一定時間着用することが困難なことがあるため、保護者の監督や判断のもと使用する。 4.不織布製マスクの取り扱い (1)取り扱い方法 不織布製マスクは、原則使い捨てであり、一日一枚程度の使用とする。マスクのフィルターには病原体がついている可能性があるので、使用中はあまり触らないようにし、外すときもなるべく表面に触らない。マスクを外した後は流水やアルコール手指消毒剤によって手を洗う。不織布製マスクを洗濯したり、消毒したりすることは勧められない。また、マスクを他人と共用してはならない。 (2)一般的な着用方法 不織布製マスクの着用にあたっては、説明書に従って行う。 1) 鼻、口、顎を覆う (特に、鼻と口の両方を確実に覆うことを心がける) 2) 可変式の鼻部分を鼻梁にフィットさせる 3) ゴムバンド/ひもで頭にしっかり固定する 4) フィットするよう調節する (3)一般的な着脱方法 1) (ゴムバンド式)後頭部のゴム 2) の部分を持ち、上方へ移動する 3) (ひも式)下のひもをほどく、それから上のひもをほどく 4) 顔から外す 5) 廃棄する (4)廃棄方法 使用済みのマスクの廃棄方法としては、表面に触れないようにビニール袋に入れて口を閉じて廃棄する、もしくは、蓋のついたゴミ箱に入れて廃棄するなどの方法で廃棄する。マスクを廃棄した後には、手指にウイルスがついている可能性もあるのですぐに手洗いや消毒用アルコール製剤による消毒を行う。 5.家庭における備蓄について (商略) 6.付録 (1) N95 マスク(防じんマスク DS2)について 現段階では、N95 マスク(防じんマスク DS2)は、新型インフルエンザの感染予防策として、日常生活において使用することは想定されていない。 ただし、新型インフルエンザの患者に接する可能性の高い医療従事者については、N95 マスク(防じんマスク DS2)のような密閉性の高いマスクの着用が勧められている。(参照:医療施設等における感染対策ガイドライン) N95 マスクの N とは耐油性がない(Not resistant to oil)という意味であり、95 とは 0.3μm 以上の塩化ナトリウム結晶の捕集効率が 95%以上という意味である。N95 マスクの認定は米国労働安全衛生研究所(NIOSH)が認定している。 産業用の防じんマスクについて、わが国でも国家検定が行われており、DS2 というクラスのものが N95 マスクと同等の検定基準とされている。 N95 マスク(防じんマスク DS2)を適正に使用するためには、自分の顔にあった正しいマスクを選択するためのフィットテスト及び装着時に正しく装着出来ているかを確認するためのユーザーシールチェック等十分な知識が必要である。 また、期待される効果を得るには顔とマスクの高い密着性を必要とするため、長時間の着用は息苦しくなることがある。 家族内で新型インフルエンザに感染した者を世話する等、感染者と濃厚な接触が避けられない場合は、医療従事者以外の者も、N95 マスク(防じんマスクDS2)を使用することは、適切な教育・訓練が行われることを前提として今後も検討する価値があると思われる。 (2)N95 マスク(防じんマスク DS2)を着用する際に必要なフィットテスト フィットテストは、定性的なフィットテストと定量的なフィットテストがある。一般的には定性的なフィットテストが行われており、米国労働安全衛生局(OSHA)がその手法を定めている。以下にその方法の概要を示す。 N95 マスク(防じんマスク DS2)を着用して、その上からフードをかぶり、すきまからサッカリンや Bitrex 等の味覚成分を吹きかけ、着用者が甘みや苦みを感じるかどうかを試すものである。感じた場合には、マスクのフィルターで捕捉されていない空気が、顔とマスクの間から流入している可能性があるため十分にフィットしていない可能性がある。 こうした手技による確認を、普通の呼吸だけではなく、着用して以下のような様々な動作を行った後にも確認する。 1) 普通の呼吸 2) 深呼吸 3) 顔を右や左に動かす 4) 顔を上や下に動かす 5) 声を出す(あいうえおの 50 音を言う。なんらかの文章を読む) 6) 顔をしかめる 7) 腰を曲げる 8) その場で足踏みする 9) 普通の呼吸 もし、これらの動作において甘みや苦みを感じた場合には、そのマスクが十分に顔にフィットしていない可能性があるので、別の型やサイズのマスクで同様にフィットテストを改めてする必要がある。 (3)ユーザーシールチェック(密着性の確認) ユーザーシールチェックとは、N95 マスク(防じんマスク DS2)着用する度にマスクがきちんとフィットしているかを確認する方法である。具体的には、両手でマスクを完全に覆うようにして息を吐く。その際に鼻の周り等から息が漏れているようなら密着性が十分ではない。その際はゴムひもの調整を行う等して再度漏れがないか確認する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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