映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

お盆ですね。皆さん田舎で過ごしてらっしゃるのでしょうか。
こう暑いとお墓参りも大変ですね。

『赤毛のアン』は皆さんよくご存じのことと思いますが、もう一人、アンの作者モンゴメリが作り出したヒロインがいます。NHKでTV放送された作品です。

フェリシティ、セシリー、ダン、ベバリー、フェリックス、セアラ・レイ、ピーター、そしてストーリー・ガールことセアラ・スタンレーの８人は、プリンスエドワード島の村カーライルで楽しい時を過ごしていた。やがて季節が巡り、それぞれの道が別れる時がやって来る。


　『赤毛のアン』の著者・モンゴメリの作品で、『ストーリー・ガール』の続編。成人したセアラの従兄ベバリー(ベブ)・キングの視点で語られているため、時折「現在」が顔を出します。 第一作では「確立したコミュニティにやって来た闖入者」的立場だったセアラは、しっかりと自分のポジションを得ており、その優れたストーリーテラーぶりには、ますます磨きがかかっています。おすましのフェリシティ、優しく大人しいセシリー、フェリシティをからかう長男ダン、やんちゃなフェリックス、干渉気味の母に悩まされるセアラ・レイ、フェリシティに恋心を抱く純朴なピーター。元気いっぱいの子供達のキャラが、魔女ペッグ・ボウエンの予言、オリビア叔母の結婚式、学校の朗読会、「ぶきっちょさん」ことジャスパー・デイル（TVドラマではオリビアと結婚）と町の美人教師とのロマンスなど、のどかな村のエピソードとうまく絡み合います。中でも、ペッグ・ボウエンがいきなり教会にやって来て、村人の偽善っぷりを次々暴いていく件は痛快セアラ達が自分達で新聞を出す所は、『若草物語』のマーチ家四姉妹を彷彿とさせる。また、カールをかけようとして失敗するセシリーや、料理にとんでもないものを入れてしまうフェリシティーなど、『赤毛のアン』に似たエピソードも登場する。『赤毛のアン』と同様に、プリンスエドワード島の四季折々の自然が美しく表現されており、読者はまだ見ぬ島への旅心を募らせるでしょう。

　子供達は皆、黄金の子供時代と決別して、別のステージに立ちますが、唯一「乙女の足が黄金の道を去る時は来ない」他数々のコメントから、セシリーのみが成人せずに没する事が暗示されていあす。終盤は「このようにして美しい日々はぼくたちから去り、つかもうとしても指の間から逃げて行ってしまった」など、失われしものへの哀切が感じられる文章が増えてくるが、同時に時間と場所に関わらず奪う事の出来ない「絆」と「思い出」の尊さを高らかに歌い上げ、希望を残すエンディングです。



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