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みなさん、こんにちは。むしむしすると、さっぱりしたものが食べたくなりますよね?
そこで今日は、『風流大名蕎麦』という書籍を紹介します。
海外、特にヨーロッパから帰ってくると、さっぱりしたものが食べたくなる。 何せ、昼と夜の前菜とメインには、バターやクリームで味付けした かなりこってりとしたものが出るのだ。野菜はほんの申し訳に 出てくるばかりで、デザートもやっぱり甘ったるい。 だから帰りの機上で、ちょっぴりしか出ない蕎麦を見て、 「ああ、家に帰ってお腹いっぱい蕎麦が食べたい!」 と思い帰国。ところが、意気込みのわりにはさほど食べず、 「いっぱい食べるっていうから、こんなに茹でたのに。」 と、親に渋い顔をされてしまう。 けれど意に介さず、 「やっぱり日本人は蕎麦だねぇ。」 とすましてお茶を飲む。 これが帰国後の定番だったりする。 さて、そんな蕎麦と日本人との出逢いは意外と古い。最初に文献に 登場するのが、養老7年(722年)7月9日。 けれど最も親しまれたのが、江戸時代。 『風流大名蕎麦』というタイトルは、その名の通りの蕎麦について 語ったわけではもちろんなく、「蕎麦」「風流」「大名」とそれぞれに ついて述べている。けれど結局は、蕎麦についての記述が断然多い。 蕎麦がらみの作品が山と出てくる。一番登場するのは忠臣蔵。 当時、庶民が最も好きなドラマと最も好きな食べ物の最強タッグ。 江戸在中の急進派と、決行近くなってから江戸に来たメンバーは、 当然蕎麦の好みも違ったでしょうよ、とこんな句も生まれた。 そば切が二十うどんが二十七 山東京伝は、蕎麦にちなんだパロディ作品『忠臣蔵即席日記』をものした。 塩谷判官高貞(=浅野内匠頭)は、直義公に目新しい御馳走を所望される。 判官が出した料理を高師直(=吉良上野介)にけなされ、判官が刃傷に及ぶ。 江戸時代、芝居でとちった役者は自腹を切ってトチリ蕎麦をおごるのが ならわし。それにならって判官も自腹を切り(切腹とかけている)、 一同をもてなすが、家老の由良之介(=大石内蔵助)は遅参して相伴できない。 由良之介は、主君の無念を晴らすべく、茶屋で新規の料理を学び (茶屋遊びとかけている)、料理巧者46人を集めて、蕎麦の 『もり』『かけ』を合い言葉に(忠臣蔵では山と川)、師直邸に討入り、 即席料理を大盤振るまいして宿望を果す。 「もう駄目、お腹いっぱいで食べられない!」と 師直が言えば、念願成就。血も流れない、こんな平和的な 討入りなら、大歓迎。民衆も蕎麦を食べながら、さぞや笑い転げて 読んだはず。 桜田門外の変は3月3日。その前日も、当日のひな祭りも、江戸時代は 蕎麦を供えていた。蕎麦は身体の汚れを除く効果があるとされたので、 あの井伊大老の最後の晩餐は、蕎麦だったかもしれない、という話も 載っている。 「もりかけ三銭=もりそば かけそば 三銭」の意味がわからず、ずっと 「もりかけ下さい。」 と言ってた菊池寛も登場する本書には、人々が、いかに蕎麦を愛したか よくわかるエピソードがたくさん載っている。 つるつると音を立ててすすっていた、皆の 無防備な姿が浮かんでくると、 「大名も、庶民も、文人も、蕎麦の前では皆同じだったのだなぁ。」と、 何だか笑いがこみあげてきた。 涼しい時も、熱い時も、寒い時も、どんな季節にも、 どんな人にもあう、素直な食べもの、蕎麦。 これからも、どうぞ、なが~く、おつきあいしたいものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 17, 2019 06:41:03 AM
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