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December 30, 2015
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みなさんこんにちは。スポーツクラブのメンバーが多かったです。昨日から休みに入った人が多かったのでしょうね。そして新聞がどんどん薄くなる…。

今日は中国清王朝皇帝の末裔が書いた歴史小説を紹介します。


愛新覚羅の末裔で、北京でも名門中の名門である金一家は、清朝から授けられた鎮国将軍の肩書きを持つ父、3人の母親、14人の子供がいる大家族だ。中でも、末っ子で七女の、好奇心旺盛の舜銘は、みんなから「ねずみっ子」と呼ばれ、かわいがられていた。やがて中国は、止む事のない革命と動乱の時代に突入する。

清朝崩壊、中華民国成立、国共分裂、中華人民共和国成立、文化大革命。二十世紀初頭、中国は激動の時代を迎える。代々続く家門の栄光を盾に、何もせずとも生み出される富を土台に、安穏な生活を送れるはずだった貴門達も、この歴史のうねりから逃れられない。先祖代々教え込まれた価値観では、到底乗り越えられない試練が彼等を待っていた。その試練を貴門達がどう捉え、どう生きたのかが、家族の一人である舜銘の目を通じて描かれる。舜銘もまた一門の者として、これらの苦難を経験してきた「当事者」であるのだが、自身に対する描写は少ない。むしろ家族達に起こった様々な出来事を「傍観者」として捉えた内容の方が多い。それが、ただ没落した身を嘆く貴族の感傷的な話に終始しなかった要因だろう。京劇の台詞がごく普通に会話の中に登場し、由緒ある骨董物が家の中には無造作に転がっている。我々からすれば歴史上の有名人である愛新覚羅、西太后、溥儀が当たり前のように出て来て、女スパイと騒がれた芳子は「迷惑な親戚」呼ばわりされている。だがこれらの境遇が自慢話として語られるのでなく、「当たり前の事」として見るスタンスで描かれているので、読者の反感を誘わないのだ。

『采桑子』の一節からタイトルが取られている本作は、全九章から成り、それぞれが独立した短編としても読める。兄や姉、祖母が各章の主人公となるが、別の章では脇役として再登場する。京劇に夢中で気位が高く、自分の恋心に気づいた時は遅かった長女。
一人の女性を巡り、争い合った末に不幸な最期を迎える三人兄弟。逃げた養子の生存を信じ続けている大叔母。親に反対された結婚をして、死ぬまで会えなかった次女。プラトニックな愛情で結ばれた四女とその幼なじみ。兄に恋人を奪われても尚、彼女を思い続けた宮廷画家の七男。思い思われなかった辛さ、同じ一族でも、時代に迎合できる者とできない者の残酷な落差。辿る運命は一通りではなく、それぞれの魂が奏でる様々な旋律は、やがて大きな一つの旋律-貴族の斜陽-へと収斂される。
幼時のエピソードが登場する第八章以外、殆ど描かれなかった著者自身の半生についても興味が湧く。各章にわずかに登場する彼女の態度、家族への接し方や描き方などから、書かれなかった十番目の旋律について、思いを馳せてみるのも良いかもしれない。

西太后を大叔母に持つ著者の、自伝的要素が濃い小説。2001年、第8章『夢(まぼろし)か』に対して、第2回魯迅文学賞秀中編小説賞が贈られた。


 「初版発行日」 2002-04 「著者」 葉 広〓 (著) 「出版社」 中央公論新社【中古】貴門胤裔〈上〉
 「初版発行日」 2002-04 「著者」 葉 広〓 (著) 「出版社」 中央公論新社【中古】貴門胤裔〈下〉KSC







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最終更新日  December 30, 2015 07:03:42 AM
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Re:そして十番目の旋律へつづく~西太后の末裔が描く自伝的小説~小説『貴門胤裔』(12/30)   ☆☆。えっこ。☆☆ さん
新聞がどんどん薄くなる我が家では今朝の朝刊で思いました。
夕刊みたいです。
西太后に 関する本は読みましたが、妙な感情だけが残りました。
(December 30, 2015 12:03:42 PM)

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