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March 17, 2016
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みなさん、こんばんは。職場が変わって最初の週は何かと疲れます…。やっていけるのだろうか。

さて、こちらはローズマリー・サトクリフの小説です。

王のしるし(上)(下)
The Mark of The Horse Lord
ロ-ズマリ・サトクリフ

葡萄酒の輸入商と奴隷の母との間に生まれたフィドルズ。闘技場で4年間戦い続けた彼はゴール人と闘い、自由を手にする。しかし喧嘩をしたフィドルズは相手を刺し、牢に入れられる。フィドルズの死を偽装した謎の男は、顔がそっくりな王の身替わりになれと言う。フィドルズは申し出を受けるが。

 萩尾望都漫画「偽王」を思い出した。ただし、王となる男のキャラクターはまるで正反対。「偽王」では、王としての生活を謳歌した後、今は尾羽打ち枯らした状態で主人公の前に登場する。王の果たす一つの役割において、この物語と共通点がある。

 また、佐伯かよの漫画「あきひ」の中に「山水化」という一編がある。本物よりも出来がいい贋作「岐阜出来」を収集する男が、家族の絵を書いて欲しいと依頼する物語。この男の秘密が明かされるクライマックスに、彼の妻が告げる言葉は、そのまま本作のフィドルズにかけたい言葉。

 彼は冒頭で、自分の命か、さもなければ他人(友人)の命かの選択を迫られる。
馬よりも価値がない男として売られてから、感情をすりへらしていくことで生きて来たフィドルズ。そんな彼が、わずかに持っていた心は、友人だった相手を殺さなければ死ぬという状況では、邪魔でしかない。だから彼は、ここで心を殺してしまう。自分の一部を。

 なぜ彼は王の身替わりを引き受けたのか?これが最初は納得いかなかった。嘘がばれてしまえば、命はない。断れば、幽閉されるかもしれないが、少なくとも命はある。私なら、迷うことなく自分の命を選ぶ。だが彼は、身体は生きていても、心は死んでいた。だから申し出を受けられたのだと思った。
そしてさらに彼の背中を押したのは、本当の王マイターのこの言葉だったのではないかと思う。

「神たちは人間の世に起こる出来事を見て嘲り笑うのだろうな?」

彼にあるのは自分に降りかかった運命、そして運命を与えたもうた神に対する怒り。
その思いは、フィドルズも同じ。自分の命とひきかえに親友と闘わせる運命を自分に与えた神に、そして運命に、彼もまた怒っていた。

 おそらく、王のしるしとなる入れ墨は、皆に見せるためだけにしたのではない。フィドルズが見せたい相手は別にあった。その相手とは運命だといったら、考え過ぎだろうか。

運命よ、見ているか。俺はここにいる。どんな困難がふりかかろうと、俺は運命に勝ってみせる。

 そしてまた、著者サトクリフにとっても、この作品は運命に見せるしるしなのだと思う。自身も不随の身にあった彼女が、自分の生きているあかしとして、自分が運命と闘っているしるしとして、この物語を書いたのだ。
運命と闘う人の額には、自分と運命にしかわからない、あるしるしがついている。


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最終更新日  March 24, 2017 10:08:31 PM
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