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July 30, 2019
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みなさん、こんばんは。高校野球の出場校が決まってゆきますね。
さて、今日も佐藤賢一さんの小説を紹介します。
この本でもう一つの沖田家のサーガも終わりです。脇役として登場するのは西郷どんです。

遺訓
佐藤賢一
新潮社

西郷隆盛の遺訓集『南洲翁遺訓』は旧出羽庄内藩の関係者が西郷から聞いた話をまとめたものである。庄内藩と言えば、1868年の戊辰戦争では、会津藩とともに奥羽越列藩同盟の中心勢力の一つとなり、西郷隆盛率いる新政府軍とは敵対勢力であったはずだ。それなのになぜ仇敵に話を聞きに行ったのか。

 庄内藩士は降伏に伴い、薩摩藩邸焼き討ち事件や戦闘を咎められて厳しい処分が下されると予想していたが、予想外に寛大な処置が施された。寛大な処置が西郷の指示によるものであったことが伝わると、彼の名声は庄内に広まったそうだ。どうやら大西郷は、フィクションでわざわざ英雄視しなくても、戦が終われば敵味方なく受け入れる大らかな人物だったようだ。NHK大河ドラマでは庄内藩との繋がりはカットされていた。ちなみに唯一明治政府軍を圧倒した庄内藩を率いていた酒井了恒(玄蕃)は本編の前日譚にあたる『新徴組』にも登場しているため、本編はそれに続く庄内藩の物語であると共に、両作品に登場した二代に亘る沖田家サーガ完結編でもある。

 前篇の主人公は沖田総司の義兄沖田総次郎、本編の主人公はその息子芳次郎である。芳次郎はここにいない総司を彷彿とさせるかのように、爽快で飄々としていて剣どころか銃の腕前も素晴らしい。ところが若いために人生経験は少なく、そのためにいくつか致命的な失敗を犯す。彼に影響を与える人物として登場するのが酒井玄蕃と西郷隆盛である。芳次郎も実在の人物だが、空白期間がある。維新になってから開墾にいそしむが、明治5年に数十名による集団脱走が決行され明治19年に結婚するまでの期間である。本編はこの空白期間、彼が西郷隆盛の護衛役を務めたことにしており、当然西郷の株は爆上がりだ。逆に一蔵どんこと大久保利通がここでも闇堕ちしており「越えることができないならいっそ殺してしまいたい」とモーツァルトに対するサリエリのような執着ぶりを見せる。一方酒井玄蕃の不遇の死は、史実では肺病による病死だが、本編では別の説が提示されており、「実力がある者が排除され、こうなっていたはずの歴史があるべき姿=史実に落ち着く」ざらついた苦みが残る。タイトルでは西郷隆盛を全面に出したような印象を与えるが、むしろ庄内藩から見た西南戦争といった趣である。










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最終更新日  January 7, 2020 07:55:07 PM
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