映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。
吹奏楽コンクールも中止になりましたね。

TVドラマ​コレクター　暴かれたナチスの真実​を見ました。

コレクター　暴かれたナチスの真実
DE ZAAK MENTEN

　1976年、オランダの記者ハンス・クノープのもとに、1本のタレコミ電話が入る。その内容は、億万長者でアート・コレクターのピーター・メンテンが30年前の第二次世界大戦中にナチス・ドイツに肩入れし、多くのユダヤ人を虐殺した、という驚くべきものだった。半信半疑のまま、当時の証人たちを探し出して取材を進めるにつれ確信を抱いたハンスは、次第にメンテンを追い詰めていく。「私は多くのユダヤ人を救ってやった」と豪語する謎多き男メンテンは果たして、大虐殺を行った悪魔なのか！

　既に名士として地位を築いていた彼を追及するにあたって、上司は後押しするが同僚は反論記事を書いて敵に回る。一介の新聞記者が戦争犯罪人を追及できる材料を手に入れるのは骨だったろう。どれだけ真実を暴いても、国自体が過去の犯罪を掘り起こしたくないと思うのはドイツでの裁判同様。しかしそれでは被害者が浮かばれない。

　フランスが有名だが当時ドイツに占領された国で、ナチスドイツのポリシー「ユダヤ人大虐殺」に反抗して生きる勇気を持てた者はほんのわずかだ。後からならいくらでも告発できるが命と引き換えにはできない。しかし、むしろ嬉々としてナチスドイツに加担した者もいた。隠れていた嗜虐性が呼び起こされたとでもいおうか。

　敗戦後ドイツは死んだヒトラーに「死人に口なし」とばかりに責任を被せ、ナチス幹部は南米や世界各地へ逃亡した。占領され協力した国民の中にも、何食わぬ顔をして、隠した財産で地方の名士になった者もいる。メンテンもその一人。見るからに憎々し気な風貌の俳優を選んでいて、片や本編の主役である記者クノープはさっぱり顔。私のような外国人がパッと見ても、ひとめで善悪がわかるようなキャスティングになっている。ただ若い頃のメンテンはユダヤ人の少年を可愛がっていた描写もあり、こうでなかった未来もあり得たのか、と一瞬思わせる。ただ、若い頃のメンテンが欲のために虐殺行為を実行したのだから、何がスイッチとなって彼にその行動を取らせたのか。罪を裁くことは被害者にとってどうしても必要だが「なぜ」を置き去りにすると、また同じような状況が起きた時、国を替え人を替えて、残虐行為が繰り返されるのかもしれない。


★テレビムービー賞獲得＆映画祭正式出品
バンフロッキー賞　外国語ドラマ部門　最優秀賞　受賞
オランダ映画祭　TV映画部門賞　最優秀賞　受賞
ベルリン国際映画祭　Drama Series Days　正式出品　　
イーストベイ国際ユダヤ映画祭　正式出品

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