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みなさん、こんばんは。中曽根元首相の葬儀に予備費を使うとか。自民党葬でいいじゃないですか。

さて、今日は昨日に続いてピーター・バーグ監督の作品を紹介します。

キングダム／見えざる敵
THE KINGDOM

監督
ピーター・バーグ

音楽
ダニー・エルフマン

出演
ジェイミー・フォックス　ジェニファー・ガーナー　クリス・クーパー
フランセス・フィッシャー　ジェイソン・ベイトマン　リチャード・ジェンキンス

　父母参観日に出席中のFBI捜査官ロナルドの元に、サウジアラビアで自爆テロ事件が発生したと知らせが入る。彼は法医学調査官のジャネットや、爆発物専門家のグラントらFBIのスペシャリストとともに事件の調査を開始。タイムリミットは5日という極限状態の中、地元警察と激しい攻防を繰り広げる。しかし、FBIの捜査を拒むサウジ政府との交渉は難航し……。

　The Kingdomとはサウジアラビアのことだ。イントロで20世紀初頭の建国から始まるサウジアラビアの発展と欧米との歴史が語られる。うまい汁を吸っていた欧米は、20世紀後半から中東との泥沼の戦争に巻き込まれる。ニュース画像にはビン・ラディンも登場し、その先に9.11のテロがあるテロを肯定するわけではないが、ワールド・トレード・センターはただ唐突に崩壊したわけではない。

　タイムリミットの中、更に立ち入り禁止区域＆時間や協力的でない現地国民、事件をうやむやにした体制側など、数々の障害がFBIチームに立ちはだかるが、サウジアラビア警察のファリス・アルガージー大佐との間に次第に同じ事件にあたる者としての共感が芽生える。個人個人を見てみれば、彼等は皆敵ではないし、悪でもない。それは欧米にとっても言える。しかし長くねじれた両国の歴史が交流を阻む。共存共栄の未来など絵空事でしかないと。

　圧巻はラストシーン。意図的にクロスカット手法が取られている。
あるテロ事件で祖父を失った孫とロバートがテロで夫を亡くした妻にかけた言葉が全く同じだ、というシーン。
アダム「フルーリー、君はジャネットに何か囁いてた。何と言ってたんだ？フランの事で泣くのはやめるよう言ってた時さ。Fleury. Tell me what you whispered to Janet, in the briefing, to get her to stop crying about Fran, you know, before all this, before we even got airborne. What'd you say to her? 」
叔母「おじいちゃんは死ぬ前あなたに何と言ったの？Tell me, what did your grandfather whisper in your ear before he died? 」
アダム「覚えてるか？You remember? 」
ロナルド「彼女に言ったのはI told her we were gonna kill 'em all. 」

孫「彼等を恐れるなDon't fear them, my child. We are going to kill them all. 」
ネタばれになるので台詞の訳はしないが全く同じだ。正義を追及しようという捜査官にも復讐心はあり、子供の頃から復讐心を植え付けられたサウジアラビア人が長じてテロリストになる。この連鎖を止める事は難しい。

　劇中の事件は架空のものだが、1996年6月26日に起きたホバル・タワー爆破事件、及び2003年5月12日のリヤド居住区爆破事件を基に製作された。もともとこの映画の尺は約2時間半。ピーター・バーグ監督がリリースしたかったカットであり、より多くのキャラクターを描き分けることに集中したためだった。しかし配給先のユニバーサルは却下し現在の長さにしたためバーグは落胆。制作チームは当初、サウジアラビアのロケ地で映画を撮影したいと考えていたが政治的および物流上の問題により困難。代わりに、トム・ダフィールドと制作設計チームは、アリゾナ州メサ近くの空き地で、インターネットからの写真と、監督が撮影した写真を使用して追跡と銃撃戦の外部都市シーンを再構した。ロケ撮影の追加のいくつかは、アラブ首長国連邦、アブダビで撮影。王子の宮殿や、高層ビル、主要な街の通り、高速道路などの大きな外観が含まれる。ジェニファー・ガーナーは、フェニックスのセットで2回、華氏115度/摂氏46度を超える高温のために倒れてしまった。ロバート・デニーロはリチャード・ジェンキンスが演じたFBI長官のロバート・グレイスの役をアサインされていた。


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