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カテゴリ:『はみだしっ子』シリーズ
『夢をごらん』
作:三原順 -はみだしっ子Part 7- 雨宿りをきっかけに、小さな町の小さな喫茶店に泊めてもらうことになった4人。 マスターは優しく彼らを受け入れてくれ、4人はようやく子供らしい安らぎを感じる。 そして、ずっとこのままでいられたら…と夢見る。 けれど町の子供達は川向こうの子供達と対立していて、否が応でも巻き込まれてしまう。 マスターに迷惑をかけたくなくて、彼らは黙って町を去るのだった。 * * * * * * * 夢みよう… 妙に大人びてしまっているグレアムが、暖かく包んでくれるマスターのそばでは 本来の子供である自分を取り戻し、安らぎを感じることができました。 「人になつかない」サーニンが、マスターには心を預けることができました。 単に雨宿りの場所としてでなく、ずっと求めていた自分達の場所を やっと見つけかけた4人でした。 今までの経験から、幸福は永続することはないと思っている4人です。 不安に怯えながら、それでも 今日はまだここにいられる、明日もまたいられるかもしれない… 小さな希望を抱き、それを「夢」と表現するのが何とも切ないです。 マスターは心の傷を抱えていました。 戦争で多くの人を殺したこと… 相手を人間とは認識せず、物として平気で攻撃したこと… そうできた自分もまた人間ではないと、自分を責め続け 川向こうに残してきた恋人に会いに行くことができないでいます。 ひょんなことから地元の子供達の争いに巻き込まれた4人は 同じように、相手を物として見なしている自分達に気付きます。 映画やTVのスーパーヒーローは平然と敵をやっつけるじゃないか! どんな暴力だってスーパーヒーローは清く正しいじゃないか!! 心の中で言い訳しても、現実には 石を投げられるから投げ返すだけ、攻撃するから攻撃を返されるだけ。 どちらも自分達は正しく、相手は悪だと思い込んでおり そこには何の理由も根拠もないのです。 「こいつら…戦いのために戦ってるんだ! そして、共通の敵がいるって仲間意識に酔ってさ」 川向こうの子供達に石を投げた手で、今度は町の子供達に向かっていく4人。 つまらない対立構造に抵抗しても、それもまた一つの構造、片側だけの理屈です。 それでも、そんな彼らが好きです。 自分達の手の汚れを認識する彼らが愛しいです。 マスターのもとを去り、苦い思いを抱えながら 赤い実をくわえた小鳥を見かけ「可愛い」と思う、彼らが。 夢見るんだ― 夢が現実になる日だって… いつかは来ると― Part 1~6はこちら『はみだしっ子』INDEX ☆やっくんち☆ ◇人気映画・TVBLOG◇ 【春の新生活0206】UMBRA JUNIPER ALBUM (アンブラ フォト アルバム) しあわせを呼ぶ香水と同じ名前「ベビードール」【送料無料】【即日出荷】産直ガーベラの花束「... はみだしっ子(第1巻) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.03.17 20:50:58
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