また復刻日記。
このところあまり日記を書く意欲がないが、空白よりは復刻日記の方がまだマシだろうと言うことで。 それに、これから元気を出して、海外での昔話を続けて書いてみようと思うので、最初の赴任地、サイゴン・ヴィエトナムに関する過去の日記を復刻してみようと思う。 ---------------- 先日新聞で見た記事に「[ベトナム グエン・カオ・キ元副大統領が米から帰国]という記事がありました。 これで思いだしたのは、実は私にとってベトナム・・・(私はヴィエトナムと原語に忠実に?書くことにしますが)のサイゴン(今はホー・チ・ミンと改称)が初の海外赴任地だったのです。 新入社員としてその商社に入社した同期生は100名近くいたのですが、入社わずか二年目で海外駐在員として赴任したのは私が最初です。 私がさぞ優秀だったのだろうと思われる方はいらっしゃいますか? 思ってもらいたいのですが無理でしょう。 私が選抜?された理由というのは・・・。 当時ヴィエトナムはヴィエトナム戦争の真っ最中でした。 新聞記事などではサイゴンの街にロケット砲がまるで雨あられと降ってくるような報道がなされていました。 だから会社側の真意としては 1) このような危険な場所への赴任を命じても、喜んで赴任するような人間は少ない 2) alexは学生時代は山岳部にいたというし、ふだんの粗暴な言動からしてこのような場所への赴任に適しているし、本人も大喜びで赴任するであろう 3) 将来の幹部候補生はこういう危険な土地に赴任させるわけにはゆかない 4) alexなら、大した人材ではないから例え戦死したところで会社側の被害は最小に押さえることができる。 こういう冷酷非道な判断がなされたことはほぼ間違いがないのです。 今でもこのことを考えると会社側の冷徹な判断に敬意を表したくなります。 (オイオイ! それでいいのか?) ともかく私は大喜びでこの戦場の国に勇躍、旅立ったのです。 ―――― ◇ ―――― さて、このヴィエトナム戦争については追ってご説明したいと思いますが、今日はこのグエン・カオ・キ元副大統領について。 この人はジェットパイロットでもあった現代的な軍人で勇猛果敢で有名でした。 ときどきパトカーや白バイに先導されて、サイゴンの街を黒いロールスロイスで疾走するお姿を見かけたことがあります。 で、また話が飛ぶのですが当時のサイゴン店にいた先輩の一人にこのグエン・カオ・キ将軍にそっくりの容貌の人がいたのです。 容貌だけではなく、ホッソリした体つきもそっくり。 おまけに本人もそれを意識していて、本物の将軍ご自慢の口ひげまで真似てしまったのですから・・・。 本人と面と向かっての場合だけは「○○さん」と本名で呼んでいましたが、陰では現地従業員も含めてみんな、いとも自然に「グエン・カオ・キさん」と呼んでおりました。 この人がまた夜遊びの好きな人なのです。 毎晩必ず車を運転してサイゴンの繁華街に繰り出し、ナイトクラブやバーでカワイコちゃん相手に酒を飲むのが日課でした。 当時のサイゴンは共産ゲリラを警戒して、カーフュ(外出禁止令)があって、夜12時から翌朝6時までは外出禁止、その時間内に外出していれば射殺されかねない状況でした。 ですから夜遊びといっても時間になれば急い宿舎に帰るので、可愛いものですが、それにしてもとにかく毎晩ですからすごいものです。 というこの私も、実はそのうちにこの先輩に影響されて?ほぼ毎晩派になりはててしまいました。 この先輩が運転用の白いセーム革の手袋をはめながら 「おい! alex君。出かけるぞ!」 と声を掛けてくるのを心待ちにすることになったのです。 ―――― ◇ ―――― 色々回り道をしましたが、今日はこの二人のグエン・カオ・キ氏が直接 face to face というか?直接相みまえた場面の情景を最後にお知らせしておきます。 このニセ・グエン・カオ・キ先輩はサイゴンのフランス系の名門スポーツクラブに入会し、休日は(休日ぐらいは・・・というべきかな?)健康的にテニスを楽しんでいたのですが・・・。 ある日、隣のコートになんと本物の将軍が現れ、プレイし出したのだそうです。 しばらくは静かなくすくす笑いぐらいだったそうですが、その内にたまらなくなったのでしょう。 見物していたみんながついにがまんできなくなって・・・思い切り大笑いをしたということです。 本当にうり二つのひげのオッサンが隣り合ったコートですましてプレイしているのですからね。 これはこの現場を見た同僚が話してくれたのですが、本人に聞いてみたらニヤニヤするだけでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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