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珍しく、かんべえさんが、真正面からの正論 ーーーー <7月22日>(月) ○本日は経済をテーマとする研究会2つに出席する。いずれも「貿易戦争」が話題になるのだが、片方は「トランプ大統領が考えていることは訳が分かりません!もう駄目です」というトーンになり、もう片方では「意外と全部うまく行くかもしれません。とりあえず中国に勝ち目はないですな」という流れになる。うーん。 ○この問題について語る際には、最低限「保護主義はダメだ」ということはしっかり押さえておくべきであろう。 (1)保護主義は貿易量を減らし、経済活動にとってマイナスである。 (2)高関税を課すと、特定の品目を除外しようとするレントシーキングが盛んになる。弁護士やロビイストが栄えて、市場メカニズムが歪む。 (3)国内物価が上昇するので、消費活動が低下する。 (4)もちろん増税でもある。 (5)グローバル・バリュー・チェーンが破壊される恐れがある。 (6)予見可能性が低下するので、企業家や投資家が決断しにくくなる。 (7)通貨安競争につながる恐れがある。 ○にもかかわらず、トランプ擁護者は少なくない。あるいは「自由貿易って、そんなに良いものではないんじゃないか」という人も居る(その割に、TPPは「絶対的な正義」とされているのは不思議である。変われば変わるものだなあ)。たまには自由貿易じゃなくて、重商主義や戦略的通商政策を試してみたい、みたいな気分があるのだろうか。 ○自由貿易は民主主義と同じで、一見不合理に見える時もあるけれども、長い目で見ればもっとも後悔することが少ないやり方なのだ、としか言いようがない。アメリカが関税を上げまくって、しまいには大統領が通貨価値や金融政策について言及したりして、それで物事がうまく行くはずがないでしょうが。いくら中国が憎いからと言って、中国を叩く人が全部善人に見えるというのは、あまり生産的なことではないと思いまするぞ。 ーーーーー これは私の思い過ごしかもしれないが このかんべえさんのコメントは 下記の伊藤洋一氏のやや日和見的な意見にたししての やんわりとした、しかし、一歩も引かぬ反論では無いか? そんな気がするのだが わたしはかんべえ派である ーーー 冷笑は格好の餌食 伊藤洋一公式ブログ day by day 23日 (10:30)日本の財務省がアルゼンチンの「良い空気の街」で行われたG20の会合から出てきたコミュニケを素早く掲載してくれているので、後で全文を読んでみます。最初の2パラくらいは、朝の文章を書くために読んだ。いつもより緊張感がある。 文章という意味では、 この週末に読んで一番「面白い」と思ったのは、日経ヴェリタスの59面「異見達見」の「トランプ流、冷笑すべきでない」だ。加藤創太氏(国際大学教授・東京財団政策研究所研究主幹)が書いた文章。 「主流経済学の立場からは、トランプ大統領の保護主義は非難の対象である。しかし、トランプ氏の主張と各国の通称交渉官の立場に大差はない」という実践的な見地から冷静に「トランプの主張」を分析している。 私もそうだが、トランプ大統領を考える時に、「その知性を感じない発言や行動」「今までの大統領を綺麗でない言葉で否定する姿」「外国のトップも平気で罵倒するツイート」などなどで、「なんだこの人は」と冷笑的に考えがちだ。 しかし考えてみればアメリカ国民が選んだ大統領。しかも最近彼の支持率は上がっている。「なぜか?」は良く考えないといけない。そう考えていたところに、この文章に出会って、見だしを見た瞬間にこれは面白い分析かも、と思った。 文章として興味深いのは、「私は、トランプ大統領の一連のスタンスは、国家を企業に見立てる(一部の)ビジネススクール的な見方に通じていると考える」と「選挙で選ばれたリーダーに対する識者の侮蔑や冷笑は、反エリートのポピュリズムの格好の餌食になる」の二つだ。 ここは非常に重要なポイントで、ある意味「政治と経済の接点をどう考えるか」という問題に通じる。どう見ても不可分で、トランプという人はその体現者だ。伝統的経済学の主流の考え方からは冷笑されているが、そこにどしっと存在し、政治と経済を動かしている。 しかも先ほども書いたが、世論調査ではトランプ氏の支持率は上がっている。「現状では民主党の誰が出ても次の大統領選挙でトランプに勝てないのではないか」との見方も台頭しつつあるらしい。海外の一部の新聞が報じていた。 多分我々は安易に主流経済学の立場に立つべきではないと思う。なぜなら「べき論」とは別に実際に世の中を動かしている論理は別にあり、「政治の流れ」には大きな関心を払わざるを得ない。 今まさに世界を動かしているのは「政治と経済の混然一体物」としてのトランプ大統領そのものだからだ。 ーーー と思ったら
かんべえさんの不規則発言の方が先に書かれている むしろ伊藤洋一氏の方がけんかを売ったか >多分我々は安易に主流経済学の立場に立つべきではないと思う。 この発言には、経済評論家として責任を持ってもらいたいものだ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.07.24 15:21:45
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