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msk222さんの「「一庶民の政治認識」 2019.06.16 私としてはこういう「対論」を提示されたからには 一庶民の政治認識(Alexさんとの意見交換) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Alexさんとmsk222との、米国および近隣諸国との認識およびつきあい方について、 ぼくなりの感じていることを纏めてみました。 もちろん尚隔たりはありますが、スタンスの違いからくるものであるのか、ぼくの幼稚で甘い国際感覚によるものであるかは、それらは大きな問題ではないと思っております。 というのは、ぼくの発言は単なる一庶民・一個人として感じている一意見であって、何ら政治的影響力をもつものではなく、日頃漠然と感じているものを述べているに過ぎません。 Alexさんの意見に対しても「ああ、そういうコトもあるのか」と思う部分はあるものの、それでもぼくとしては「人間同士しては、武力は使わない方向であって欲しい」という想い、そして、日本はあくまで理想主義を目指して欲しい、という希望的感覚を込めて述べているだけなのです。 そんなところから、再度自分なりの漠然を整理して、Alexさんのレクチャーへの対論を述べてみます。 しかし、ぼくはあくまで政治の素人。実際の舵取りは、官僚なり政治家にまかせている“一ごまめ”国民としての発言であることは言うまでもありません。 ・F35を105機購入について「自衛隊に必要な装備をあたえることに疑念を持つべきではない」との意見ですが、 曲がりなりにも日本は専守防衛を国是としています。F35の105機の戦闘能力が国是に合致するか、逸脱するか、これは厳密に検証する必要があります。 合致しているとなると「憲法」は単なるお飾りということになります。 それを無いものとして「必要な装備をあたえることに疑念をもつな」というのは、この際法律は無視しても、国のトップに疑義は挟むな、では日本は(憲法においては)無法国に等しいということになると、ぼくは感じます。 勿論、だから憲法を変えるべきだという人たちもおります。しかし、変えるまでは、守らなければならないのが憲法ではないでしょうか、いくら「いじましい憲法」でも、その下にいる以上遵守しなければならないのが、国のトップです。 ・朝鮮戦争の勃発について。第二次大戦終結後の世界は、米ソ対立を軸とする冷戦体制にはいりました。 ソ連のスターリン指導部体制は、東ドイツ占領、満州侵攻、北方領土不法占拠と膨張戦略を推し進め、朝鮮の金日成はスターリンの後押しを受け、朝鮮民主主義人民共和国を北につくりました。 こうしたソ連の膨張主義に対抗し、アメリカは、終戦後すぐにトルーマンドクトリンを発表し、対ソ封じ込め戦略を世界で進めることになります。 ヨーロッパではNATを、東アジアでは、日本を反共の防波堤として利用する戦略を開始しました。さらに中華人民共和国の誕生によってこの戦略は一層強化されます。 そこで、朝鮮戦争とはいったい何だったのか。 確かに北が南に侵攻する形で戦端は開かれました。たしか、北の旗印は朝鮮半島の民族解放と、韓国のアメリカ同盟国化の阻止でした。これはすでに米ソ冷戦の代理戦争化の縮図でした。 この縮図は、ソ連がロシアとなった今でも続いていて、米韓と北は休戦協定を結ぶことによってこれまで辛うじて戦闘を回避してきたにすぎません。 この現状を打開しようというのが、北の核開発の阻止を含め米韓vs北の、即ちトランプ・金の首脳会談の成否だとすれば、つまり外交的解決の如何がかかっているわけです。 ついでに付言しますと、Alexさんは自衛隊の外国派遣等に関連し国家主権の侵害について論じていますが、日本は日米安保条約にもとづき米軍の日本駐留を認め、領土の一部(沖縄の7割)の軍事的領有を許しています。 しかし、逆に日本の自衛隊をアメリカに駐留させるなどと言うことは、思いもよりません。 つまり、この関係は極めて片務的で、日本はアメリカに従属した、植民地的隷属を今だに続けています。 これは最初に述べた米ソ冷戦時代のアメリカの東アジア戦略の残滓がより濃くなっていると感じます。 この日米関係などは、国家主権云々以前の問題だと思わないでしょうか。 本当に、米国は日本の番犬として、多少国民生活を圧迫させても高い餌代その他を与えるのは当然、と考えて良いのでしょうか。 (まあ、日本はアメリカに守って貰っている、そうしなかったら明日にでも侵略される。それがイヤだったら、日本をハリネズミ化するもやむなし、簡単にいえばそういうことが基本なんでしょうか、ね) ・ 「中国帝国」の60年の侵略史について、Alexさんは縷々論じておられます。これには同感すること多々です。 ぼくもチベットや新疆ウイグル自治区に対する中国政府のやりかたには非常に乱暴で、看過しがたいものを感じています。 ただ、中国はこれは内政問題だとしてきており、 これらを対日本と同列に論じられる問題ではないと考えます。 習近平は、その国家主席就任演説で「偉大なる中華民族の復興」を声高々に標榜しました。この「中華民族」つて何?と思いました。ご都合主義そのものですが、それこそ彼の国の弱さの裏返しだと思います。 中国はもともと20をこえる多民族国家。多分、漢民族が支配的なので、それを念頭に置いたものでしょうが、ご承知のように、中華民族なるものは存在しません。 ぼくがこの発言に危険をかんじたのは、ここに中国政府の新たな膨張主義、拡張主義の匂いを感じたからです。そしてAlexさんのご指摘のように、この危惧は顕在化しています。 空母の新増設や南シナ海問題、尖閣問題などはその一部でしょう。 共産党一党独裁支配体制のもとで、こうした拡張政策が、これからどのように展開するのかは、たしかに不安です。 しかし、日本がF35をどのくらい持ったから安心というものでもないと感じます。 ソ連邦は崩壊しました。新しいロシアはプーチンのもとなかなか強面ですが。 今や、習近平・トランプの貿易問題をめぐる小競り合いが、大ゲンカの様相を帯び始め、この帰趨は世界経済を揺るがしかねない結果をもたらすかも知れません。 それが、軍事的戦争に発展する可能性は、ほぼ0ではないでしょうか。 経済も軍事もグローバル化し、(極弱小国は別にしても)どの国も、経済を発展させるためには、自分の都合だけでは好き勝手に動かせないし、軍事においても、世界は(大国同士の)全面戦争は事実上できない水準まで(軍事技術が)きている、というのが現状だと思います。 仮に、日本が国として戦争をすることになった場合、原発を50基以上海岸線にバラ撒いている状態で、攻める側からしたらこんなに簡単なことはないのではないか。 戦闘機は攻める武器となっても、ミサイルなどを防ぐ武器とはなり得ないのではないか、とこれは素人の考えかも知れません。 ・無人島の帰属問題が、経済水域・資源など領土としての価値だけでないことは当然ですが、それでも全面戦争で帰趨を決めるなど論外だと、上記等の理由からも感じます。 一部の富裕層をつくりだし、世界を揺るがせた中国経済も、大きな戦争を起こしたら半世紀前の状態に後戻りするしかない、あるいは世界的破滅へと進むしかない、それでもするのかと思うのです。 竹島も尖閣も日本政府は自国領土の立場で外交交渉に臨んでいますから、これはその外交的手腕にまかせるしかないでしょう。 それとも、自衛隊とF35をフル動員して取り戻しますか? と、なかなか意見が交わることはありませんが、ただ、これは、ぼくだけでなく多くの日本人の感じている意見のひとつです。 もちろん、Alexさんの意見についても同様に賛意をもつ方々がいるから現政権が長続きしているということなんでしょう。 しかし、何の意見ももたず“何となく、長いものに巻かれるとか、寄らば大樹の陰が安心”だと思っている方々に支えられているというのが現状であると、まあこれはぼくの偏見でしょう。 左翼側も、自分の頭でかみ砕いて考えようとせずに、『赤旗』新聞の主張を金科玉条のように唱えているだけでは、それを笑えないということになります。 けっきょく、寄る辺ない人々が政党離れをして無党派として、その時々の風に揺れながらバランスをとってゆく。そういうことだと“無党派”リベラルのぼくは感じています。 ただ、意見の多様性を論じ合えることは、まだ民主主義が曲がりなりにも健全だということで、どちらかの方向しか許されない社会が来るとしたら、それこそ本気で闘わなければならない体制でしょう。 そういった意味で、ぼくなりの意見表明ということでここで発表しますが、もとよりぼくの言葉は現在の社会体制にとって何らの影響力もないものです。 したがって、これ以上述べあうことも詮無いことなので、今度こそ、Alexさんと政治をテーマにした意見交換はこれまでにしたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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