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January 7, 2017
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みなさん、こんばんは。正月が終わってまず第一週目の出勤は疲れますよね。
三連休でちょうどいいくらいです。

さて、今日は昨年の大河ドラマで近藤正臣さんが演じていた本多正信の息子の妻の話を紹介します。

梅もどき
KADOKAWA
諸田 玲子

宇都宮城釣天井事件で失脚した本多正純は、その父・正信が秀忠付きになると、代わって大御所・徳川家康の側近となった。しかし家康の死後、秀忠や家臣の敵意が彼に向けられ、遂に宇都宮釣り天井の嫌疑を受けて改易処分の執行中に自らが改易処分となる。やがて彼は流罪が決まり、息子に先立たれるという悲劇に見舞われる。

 諸田さんは、現在NHKドラマで放送中の『四十八人目の忠臣』で、何度も小説や映画になった忠臣蔵を書いた時に「彼らの後ろには恋人や妻、子どもがいた。そういう視点で書く所に私の意味がある」と答えていた。戦国から江戸への過渡期は大名達が淘汰されていく激動の時代であり、表舞台に登場するのはいつも男達だ。しかし男達は決して同じ男の前では弱音も見せず、本当の気持ちを隠すことすらある。そんな彼等の本音を見せられたのは、最も身近にいる妻であろう、というわけで、今回の小説も正純の内面を、継室となった梅の視点で描く。

 本編は時系列が二つ登場する。一つは正純の元に、彼に恨みを持つ少女が現れて今までの経緯を語るパート、もう一つは梅の生い立ちから始まるパート。「二つが並行して進むので読み辛い」という意見もあった。

 実は梅の父は大谷刑部に仕えており、一方で家康の母の縁続きでもある。徳川と豊臣、敵対する勢力の血を持つ彼女は「どちらにも殺されない」という最強カードを持っているが、一方で利用しやすい存在に見られる。家康の側妾から正純に下げ渡されて妻となっており、その史実だけを取ってみれば、上司の命令に逆らえず、或いはトロフィー・ワイフのような存在に思われてしまうが、小説では読者の共感を得やすいように、家康との関係ができる以前に二人を出会わせ、お互いに惹かれあっていた設定にしている。


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最終更新日  January 7, 2017 01:38:04 PM
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