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August 9, 2022
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みなさん、こんばんは。声優の小林清志さんが、7月30日にご逝去されました。
「ルパン三世」ではパイロット版をはじめTV、映画と2021年まで次元大介の声をご担当いただきました。今日は未だ解決されていない事件を扱ったノンフィクションを紹介します。

消えた将校たち―― カチンの森虐殺事件​
Death In The Forest
ヤヌシュ・K.ザヴォドニー
みすず書房

第二次大戦中の1943年2月、西ロシアのカチン地区を占領中のドイツ軍は、偶然ポーランド将校数千名の遺体を発見した。

 連行されたのは将校に留まらない。学者、宗教指導者、学生、教師ら、後のポーランドを背負って立つ指導者候補がごっそりと連行され、収容所に入れられた。将校に至っては、退役や予備役に関わらず連行された。そしてある時から家族との文通が途絶えてしまった。連行された人達のポジションにロシア人を投入し、傀儡にする目論見だ。ナチスドイツのジェノサイドは民族を対象とした殺戮だったが、ポーランドのこれは特定の階級に限った殺戮だ。

 日本も無縁の話ではない。先の戦争の時にシベリア抑留された日本人が強いられたのが、共産主義を叩きこまれることだ。カチンの森で連行されたポーランド人への体験が生かされているという。親世代にはシベリア抑留から戻り、ばりばりの共産主義者となった人がいたらしい。

 連行されたポーランド人で生き残れたのは、思想教育に染まった、或いは染まったふりが出来た人達だけだ。将校たちはポーランドの軍人であることに誇りを持っており、そもそも思想教育が無理だと見做されていたため、最初から殺害対象だった。

 今では、1940年春の虐殺がソ連の犯行だったことは周知の事実だが、本書が米国で刊行された1962年当時、米英ソは協調してヒトラー犯行説を主張、事実を隠蔽し、ソ連の一次資料も90年代まで封印されていた。ワルシャワ蜂起に参加し米国に帰化したポーランド人学者である著者は、ソ連以外の関係国の資料をできるだけ収集する。連行された時期と文通の途絶えた時期、掘り起こされた遺体からわかる処刑の様子等の傍証、目撃証言と、何度も掘り起こされたことにより少なくなった物証、先の理由により生存(を許された)者の証言を集めてソ連犯行説を固める。ソ連崩壊後、一次資料が公開されはじめると著者の主張は裏付けられ、いまだに引用頻度がもっとも高く、基本研究書と位置付けられている。

 カチンの森事件の解明及び告発は、当事者であるポーランドにおいてもタブーである。国連も腰をあげない。ロシアのウクライナ侵攻に有効な手が打てない現在の国連と、同じ問題を抱えているようだ。即ち、直近の大戦で勝った国に対して何も言えない。結局は勝った国=正義と見做される。正義を主張し認めさせるには、今度は自身が戦勝国になって立場を強くするしかない。戦争が起これば必ず捕虜と避難民が生じる。

「将来おそらく、各国は勇気と叡智をもってすべての犯罪を-戦勝国か敗戦国にかかわりなく-審理する法廷を確立するだろう。」

著者の言葉に挙げられた法廷は、まだ実現していない。


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最終更新日  August 9, 2022 12:00:25 AM
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