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再出発日記

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2010年03月03日
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カテゴリ:洋画(09~)
冒頭女性らしき人の足のつめから映像が始まる。それは労働に疲れた皺だらけの皮膚であり、だんだんと競り上がって女性の顔が映し出されたとき、私はてっきり老婆が映されたのだとばかり思った。ところが、びっくりこの女性が主人公のレイなのである。さらに後で聞いてびっくり、なんとこの女優、私と同じ歳の1960年生まれなのだ。

フローズン・リバー.jpg
監督・脚本 : コートニー・ハント
出演 : メリッサ・レオ 、 ミスティ・アップハム 、 チャーリー・マクダーモット 、 マーク・ブーン・ジュニア 、 マイケル・オキーフ

この女性に、5歳と15歳の息子がいる。トレーラーハウス暮らしの彼女の当面の夢は、冬水道管が凍らない少し贅沢なトレーラーハウスに移ることなのだ。アメリカ最北部のワーキングブア(彼女は店で働いている)の現実である。

もう一人の女性がいる。こちらはモホーク族のライラ。まだ若い。同じくトレーラーハウス暮らし。夫は(おそらく)不法入国の仲介のときに失敗して氷の川に落ちて死亡し、一人娘は夫の親に取られて一人暮らし中である。めがねを買う金が無くて、文字が見えなくて、失業中だ。

彼女たちは、三度フローズン・リバーを渡る。モホーク族の自治区の警察の目が届かない部分と、冬だけに凍る道なき道を通る、限定版の不法入国の仲介を、お互い最初はいやいやながら始めた為である。

一回の彼女の取り分はたった1200ドル(12万)である。しかし、これが貴重な現金なのだ。そのために彼女たちは一回目はいやいやながら、二回目は少し積極的に「危ない川」を渡る。二回目のときに、思いもかけない行き違いで、ひとつの命が失われそうになる。そのとき、やっと彼女たちはこの「川」が単なるビジネスではなく、危険でしかも命がかかっていることを知り、おそらく「絆」が生まれたのである。もうしたくないと思った仕事であるが、よんどころない事情で彼女たちは三度目の川を渡り、そして……。

想像していたのと違った。
もっと暗く、そして動きのある映画かと思っていた。タランティーノが絶賛、というと変な勘違いが起こる。しかし、この映画は確かに傑作の部類に入るだろう。フローズン・リバーとは本当に映画としては素晴らしい舞台設定である。心も冷えるような氷点下の世界といつ割れるかひやひやとする緊張感がずっと続く。それはそのまま、この映画のカラーとなっている。

私はどこかでへんな思い違いをしていて、レイは最後のところで、俳優生命をかけて氷点下の川を歩いて渡りきる場面があるのだと思っていた。映画が終わりに近づくにつれ、ずっとどきどきしていた。そのことはすなわち急展開のラストか悲劇につながるのではないかと思っていたのだ。だから、最後の展開は非常に意外であり、同時に「ああ、この映画はこんな映画だったんだ」といい意味で、驚かされたのである。

素晴らしいラストだった。

蛇足
今日、このブログがなんと80万アクセスを超えたようです。深夜だったので、誰が80万目の人だったのかは確認していません。ともかくも、ありがとうございます。今回も何も企画は持っていませんが、来年の今頃、100万アクセスの時には何かしようと思っています。





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最終更新日  2010年03月04日 00時32分35秒
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