医療記事
肝がん、抗がん剤後に「兵糧攻め」で生存期間2倍に
朝日新聞社 2019/07/31 17:00
近畿大学などの研究チームは31日、治療が難しい肝臓がんについて、抗がん剤でがんを小さくした後に、残ったがん細胞に栄養を運ぶ血管を塞いで「兵糧攻め」にする方法で、患者の生存期間が約2倍になったと発表した。
臨床研究結果をまとめた論文が、スイスの専門誌「Cancers」に掲載された。
臨床研究の対象は、腫瘍(しゅよう)がたくさんあったり、大きかったりする肝がん。
こうした肝がんの治療法に、カテーテルを使って抗がん剤とスポンジのような物質を入
て血管を塞ぎ、がん細胞への栄養を断つ方法がある。
ただ、この方法では、正常な細胞も死んで肝機能が低下するうえ、がん再発も多かった。
そこで、従来の「兵糧攻め」治療をする前に、がんが血管を新しく作るのを邪魔する働きがある「レンバチニブ」という抗がん剤を使い、がんを小さくしてから、血管を塞ぐ
治療をした。