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再出発日記

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2010年02月15日
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カテゴリ:旅の記録
2月12日、ちょっとした用事で東京に来た。ついでだから一泊してかねてから念願だった加藤周一邸を訪ねていくことにした。(実は去年の探索記のあとにpapagenoさんからひそかに住所を教えていただいていたのである)それだけだと芸がない(←?)ので、もう1人私のファンである藤沢周平旧宅(家自体は鶴岡に移築し、記念館になっているらしい)周辺を歩こうと計画したのである。三回に分けて書きます。

12日は、藤沢散策の拠点、大泉学園駅に直ぐいけるように池袋に宿をとった。安いところを探して(3900円、しかし素泊まり、風呂は共同)行ってみると、なんとソープ街のど真ん中であった。しかし正真正銘のビジネスホテルではある。びっくりした、と宿のおかみさんにいうと、「ここで20年やっているけど、回りが変わっちゃったのよ」とのこと。

P1池袋演芸場.JPG
せっかく(←?)池袋に来たのだから池袋演芸場によることにした。当夜の番組は写真にある通り。初めて来た。駅前のビルの地下にあって100席ほどでいっぱいになる小さな演芸場である。私は浅草、末広亭と行った事があるので、これで残るは鈴本演芸場だけになる。小さいのだけれども、この日の客の入りは私が行ったときには13人ほどで(客の入れ替わりはあるとはいえ)夜の部だけでも12組の芸人が出るのだから、これで果たしてやっていけるのだろうかと心配になる。もちろん芸人も然る者、この客の入りが終始話のネタにはなっていた(^_^;)

さて、当夜の芸の出来はどうだったか。夜の部の途中から聞いたのではあるが、落語の昔昔亭桃太郎は「寝床」を演っていた。大家のだんなが下手な儀太夫を店子に無理やり聞かそうとする噺である。適当に現代風味を取り入れていて、大変面白かったのだが、いかんせん20分では途中で終わってしまった。漫談の新山真理は楽屋話、落語の春風亭鯉枝は自らヒモになった体験を漫談に。ホントにこいつが真打なのかあという出来。落語の三遊亭笑遊は泥棒噺。演題は知らない。言葉を詰まらさないで噺をしろよ、と思う。落ちは「明日になったら入りやすいところを教えてやるよ」。漫才のひでや、やすこは古典的な夫婦漫才。そしてトリは桂歌春だった。さすがに今日一番魅せる芸だった。しかし名人とまではいかない。道具屋の噺から始めるのでもしかしたらと思っていたらなんと「火焔太鼓」。一分で買った太鼓をお殿様が300両で買ってくれる噺である。歌春は笑顔が可愛い。色艶のある志ん朝とはまた違う出来。映画「しゃべれども、じゃべれども」ではドンどこドン、ドンどこドンとたたく太鼓の音が魅力になっていたが、この日は時間の関係かそこはあっさりと流して夫婦の金をめぐるやり取りがメインになる。落ちはもちろん「半鐘はいけないよ。おじゃんになるから」。

下手なコメディ映画よりはよっぽど笑えた二時間だった。

そのあと飯田橋に行く。lalameansさんがのベストラーメンの中でベストワンだったのを食べるためである。

P2びぜん屋.JPG
びぜん亭に行く。飯田橋駅から歩いて5分くらいのところにある。そば六百円、清酒八海山六百円。スープ、チャーシュー、メンマが絶品である。全く濁りない、それでいて甘くコクのある醤油味。岡山にはない醤油味ラーメンである。
lalameansさんが「味の方は「超オーソドックスならーめん」なので、派手ならーめんを好む人たちにはもの足りないという評価もあるのですが「超オーソドックスならーめん」で美味いらーめんをつくることこそが一番難しいことだと思います」と言っていた意味が分りました。岡山にも旨い醤油ラーメンはあるのです(天神そば、だてそば)が、濃い口なのです。確かに濃い口でなくここまで旨みを出すのは難しいだろうと思う。
店を出て外観を撮ろうとしたところ、喫茶店のマスターのような風貌の店主が出てきて声をかけてきた。
「どこからお越しで」
「岡山からです」
「俺も岡山の出なんだ。何処だい」
「倉敷です。それで「備前」なんですね」
「俺は岡山市内だけどね。たまたま来たのかい」
「いえ、ブログでここが1番美味しいって書いていたので」
「そうかい!で、どうだった」
「美味しかったです。岡山にはこんな醤油味はないです」
「そうか!また来ておくれ」
もうすっかり東京弁になっているご主人だったけど、気持ちのいい人でした。

P3一軒め酒場.JPG
その後池袋に帰って「一軒め酒場」でバクハイという岡山にはない酒(ウィスキーのビール割り)を飲む。ほかに牛筋煮込みと塩キャベツと神田うまカツを頼む。これでなんと会計が800円台だった。池袋界隈は安い酒場が多い。しかしここは安くてうまい。しかもオリジナル料理である。(どうやら神田が本店らしい)お奨めである。





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最終更新日  2010年02月15日 23時45分45秒
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