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カテゴリ:社会時評
これは見なくては!
NHK「スタッフの部屋」から 人を幸せにする経済 投稿時間:2014年10月29日 16:31 | 投稿者: | 10/30のクローズアップ現代は、「人間のための経済学 宇沢弘文 格差・貧困社会への処方箋」です。 プレビューを見てきました。 「経済学者」と聞くと、「話が難しそう」「何をしている人なのかわかりにくい」と思ってしまうのは私だけでしょうか。でも、宇沢さんの言葉や行動、そして宇沢さんに影響を受けた方々の活動を追ったVTRを見て、「なるほど。人が幸せに暮らすための世の中のしくみを考えた方なんだ」ということが伝わってきました。 先月86歳で亡くなった宇沢弘文さん。経済学を志したのは、一冊の本「貧乏物語」と出会ったことがきっかけでした。20世紀初頭、世界で最も豊かだったイギリスで猛烈な勢いで貧困が拡大していることを指摘したこの本を読み、資本主義=むき出しの市場競争を放置すれば、必然的に格差が拡大することに気がついたと言います。「格差」と言えば、最近フランスの経済学者トマ・ピケティ氏が書いた「21世紀の資本論」で、資本主義と格差の関係が指摘されていますが、宇沢さんは今から半世紀以上も前にこの矛盾に気がつき、すべての人が幸せに生きる社会を作るにはどうすればいいか研究を続けました。 そこで提唱したのが、「社会的共通資本」という考え方です。ちょっとわかりにくい概念ですが、医療や教育、自然など人が生きていく上で必要不可欠なものは市場競争から切り離す。また、その運用、つまりソフト面は官僚や役所に任せず、市民が自主的に行うというものです。番組ではこうした“宇沢イズム”を受け継いだ様々な人の活動を取材しています。築100年の古民家を大学生と地元住民が一緒になって再生し、地域の交流の拠点にした例。被災地の小学校を地元の人たちとともに作り上げた例。活動に携わる人たちの充実した笑顔が印象的でした。そこには、お金でははかれない“豊かさ”が確かにあるようです。 人口減少社会、地方の再生など、「クローズアップ現代」で取り上げてきた様々な課題を解く鍵が、宇沢さんの哲学にあると感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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