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2014年12月20日
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「ソロモンの偽証6 第三部法廷」宮部みゆき 新潮文庫

この文庫本には、オリジナルの中編「負の方程式」が載っている。藤野涼子の20年後の姿である。当然のように弁護士になっている。

「どうして、悪い奴がやっている本当の悪いことをこつこつ集めて、立証して、正面から戦わなかったのよ」

どうして、宮部みゆきはわざわざこの物語を作ったのか。私は推理する。本編やこのスピンオフ作品の核心に触れずに表現することは至難の技だが、やってみると、

一つは2010年春に母校に赴任して来た野田健一の、最後に言った「みんな」が誰々なのかをもっとわかりやすくすること。つまり、この長編小説の「その後」をもう少し説明しないと、あの「濃密な半年間」の意味が浮き彫りにならないのではないか、とエンタメ小説家らしく親切に考えてくれたこと。もちろん全ては明らかにしない。そのさじ加減は微妙である。

一つは、この中編で本編の合わせ鏡を示すことで、探偵杉村三郎が願っているように「事件になる前に、人が殺されるようなことになる前に、なんとかして人を救いたい。なぜなら、事件の前に事件は既に起こっているのだから」という願いを、宮部みゆきも共有しているこの願いを、もう一度明らかにするためである。かつて、宮部みゆきの長編には、必ず象徴的なエピローグが付いていた。事件は終わる。しかし、その瞬間から本当のテーマが立ち上がるという、極めて小説らしい構成だった。しかし、事件になる前の事件を描き出した宮部みゆきにはそれが使えなくなった。よって、回りくどいけど、こういうオリジナル中編を用意したのだと思う。

文庫派の私は、最新の杉村三郎の境遇を知らなかったために、おやおやと思ってしまった。でも、探偵になれて良かったね、杉村さん。
2014年11月10日読了
2014年12月20日記述。





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最終更新日  2014年12月20日 11時49分55秒
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