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再出発日記

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2017年01月11日
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カテゴリ:台湾2015

台湾文学博物館を出てもう少し散歩してみる。


ちょっと前までは、子供はたくさん路地で遊んでいた、ということだろう。40年ぐらい前の日本の注意書きである。


夏のツルの日除けに子供のキャラクターを飾っているのが珍しくて。


ホテルに荷物を置いて駅で先ず隆田駅に行かねばならない。台南駅の一番線ホームは、古レールを用いて設けられた曲線屋根になって広く感じられるらしい。結局鳥山頭行きは完全午後になった。


電車来た。


永康駅で30分待ち合わせ。


熊列車。これだけじゃなく、キャラクター列車が次々に過ぎる(この熊列車については、3日後に詳細が判明)。


隆田駅に着いた。バスの時間まで一時間。先ずは飯を食べてそれから考えよう。


これを食べる。○前鶏柳井飯。1番高い70元のを頼んだが、おかずがまずい。しかも、私は滅多にこういうことはないのだが、鶏はいいとして四角い肉の塊が食べれない。とんでもなく不味い。とうとう残した。こんなことはホントに滅多にない。


駅前に考古資料館の案内版が。聞いてないぞ。言ってみると、土曜日休館だった。なんて惜しいことか。ずいぶん古い資料館だ。発掘は相当前なのだろう(後に鳥山頭遺跡は台湾を代表する史前遺跡と判明)。


タクシーを検討してみる。運ちゃんに聞くと、60分800元だそうだ。あり得ない。バスで30分のところだぞ。少し周りを歩いてみる。この辺りは、ちょっと前まで一面畠だったに違いない。それを急遽町にしたから、ほとんどの道路がまっすぐだ。面白味も何もないということがわかった。八田與一によって、灌漑用水が発達して、この平野が開発されて、こんな面白味のない町が出来たわけだ。


バスがやっと来た。800元ではない。39元で行けるバスが来た。バスについて走っていると、よくわかったのであるが、隆田の裏に巨大な工場団地が広がっていた。隆田が急速に町になったのは、灌漑用水だけでなく、そういう事情もあったのだ。


鳥山頭水庫(ダム)は、嘉南平野の農業灌漑を主目的にして、1930年に竣工された。当時は東南アジア1番、世界三番のダムだったらしい。これにより、農地面積9万ヘクタールの嘉南平野が台湾最大の穀倉地帯になった。


このダム公園は恐ろしく広くて、車でないと厳しいものがあるが、いかんせん私は徒歩。八田與一記念公園まで歩いて行く。そこには、ダムの設計をして、工事を指揮した八田與一の住居を復元している。まるきり新しく作ったみたいで、木の温もりがない。他の住居も修復復元の違いはあるけど、同様でがっかりした。


しかし、間取りや、気の質は違うが材料は日本家屋そのものだった。


所長の赤堀邸は、写真のボロボロだった邸宅を修理している。


八田邸と間取りはほとんど同じだが、書斎はない。


のちに八田のあとを継いで鳥山頭主張所所長になる阿部邸。離職後は招待所みたいなクラブとして使ったらしい。残っていたのは写真のようなボロボロ家だった。


中は様々な間取りがあり、全く日本家屋と代わりはない。


その横に八田と奥さんの人生をビデオで見せる資料館があった。


八田の遺品が置いている。


当時の工員たちが住んでいた住宅地図。八田は現地の人々と同じ所に住むことにこだわった。また、殉職碑も日本人と台湾人を同列に扱うなど、至る所で公正に扱うようにした。それは八田なりの人心掌握術だったかもしれないが、当時としては異色だったようだ。しかし、見たらわかるように、幹部の家の敷地(中間の数軒)は明らかに広く、格差はあった。


出てトボトボ歩いて行くと、子供の炭焼き体験場があった。有料である。


さらに坂を歩いて行くと、ダムに出る。これが当時世界三番のダムか。それ程大きくはない。


ダム用の土砂や重機を運んだ蒸気機関車。ベルギー製で、メンテナンスをして大切に保管されていた。


その隣、このダムの防堤の1番高い所に八田技師の像と八田夫妻の墓がある。


「地球の歩き方」によると、ダム完全直後の1931年に慕われていた近隣住民の寄付によって作られた 。しかも、戦中の金属供出の際に、住民はこの像を隠していたらしい。さらには敗戦後、中国政府は日本人の銅像を撤去するように命令していたらしいが、住民は拒否、密かに保存されていたらしい。この像が公になったのは、1990年代。花は毎日のように手向けられているらしい。


ぞの作者は、現地に行ってもわからなかったが、見れば八田おおらかで、思慮深い性格がよくわかる傑作だと思う。


戦後日本に引き上げずに、自殺した奥さんと一緒に墓に入っている。


ここからはダムもよく見える。


その後、トボトボ歩いて行く。こんな花があった。亜熱帯なのだ。


奥さんが身投げしたという旧放水口。


嘉義高校の甲子園出場を描いた映画「KANO」のロケもしたらしい。


今は水の勢いはあまりないが、当時は入ればひとたまりだったのだろう。


時間は一時間も余った。しかし、バス時間の関係で、ここを出たのは17時10分。この年最後のお日様は、ここ台湾の鳥山頭で見た。





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最終更新日  2017年01月11日 12時07分45秒
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