テーマ:お勧めの本(7394)
カテゴリ:読書
この本は1990年4月20日に発行されました。
著者は1929年東京生まれの方です。 以下に、【この本からの引用】と【征野の感想】という形で、少々書いてみます。 【この本からの引用】 ドイツ・イタリー・日本の三国は、何れも国土が狭く、資源不足に加え、人口増加の旺盛な国であるから、国内資源のみで、その人口を養うことは極めて困難である。 【征野の感想】 これは、『世界平和と植民地再分割論』(峰整造著・昭11)の一節を引用しました。 人口減の時代に突入した現在の日本ですが、戦前は人口増を脅威と捉える方がいました。 2005年8月7日の日記に書きましたが、北一輝の『日本改造法案』(大8)も、その立場で書かれている部分があります。 人口が減り始めると、具体的な数字を掲げて将来を悲観される方もおられるようです。 ただ私たちが注意すべきは、悲観論に振り回されないことであると思います。 そのことは、つい先頃、私たちは学んだはずです。 【この本からの引用】 昭和17年1月2日の閣議で、「開戦の日」を記念し、毎月8日を「大詔奉戴日」として、精神運動を展開することが定められた。 【征野の感想】 1月15日の日記に、「大詔奉戴日」という日があったことを知ったと書きました。 この日が何時できたのかというと、開戦から1ヶ月も経たない時だったとのこと。 閣議で定められたとのことで、これにはまた驚きました。 この本の著者は、当時は調布高等女学校に通っていましたが、毎月8日の昼食は日の丸弁当であったとのこと。 ここは、1月15日の日記で触れたことと符合します。 【この本からの引用】 こうした言葉の魔力は、戦時中、ふんだんに利用された。 現人神から始って、神国、神兵、玉砕、天降る(落下傘部隊)若桜、陸鷲、海鷲、若獅子、鉄獅子、獣米抹殺、血戦等々。 【征野の感想】 「言葉の魔力」と著者は言われます。 詳細は書かれていませんが、短くて気持ち良い響きをもつ言葉は人をうっとりと酔わせる力があるのは、確かなことのようです。 特に、世の中に漠然とした不安感に覆われているとき、私たちは催眠術にかけられたように、その言葉に惹きこまれてしまうようです。 私なども、現首相の「改革」という言葉に、何時の間にか惹きこまれてしまっております。 こういう「言葉の魔力」には、よくよくの注意が必要でしょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[読書] カテゴリの最新記事
|
|