テーマ:本のある暮らし(3310)
カテゴリ:読書
この本は2000年11月に発行されました。
著者は1931年生まれの方なので、執筆時の年齢は69歳くらいになります。 この本のタイトルにある「疼痛」とは何かわからなかったので、調べてみました。 手元の辞書によると、「疼痛」とは「ずきずきとするいたみ」のことです。 「疼痛」の意味もわからないほどなので、私自身は今まで深刻な肉体の痛みを経験することなく生活してきました。 以下に、【この本からの引用】と【上記の感想】という形で、2点書いてみます。 【この本からの引用】 私は先生がリューマチザンであることを本で読んで知っていた。 しかし私はルノワールは2本の松葉杖に引っ懸ったぼろ服であることを知らなかった。 【上記の感想】 21歳の梅原龍三郎(1888-1986年)が、師匠であるルノワールを初めて見たときの印象を、梅原自身の著書『ルノワールの回想』で上記のように書かれています。 ルノワールはリューマチを患っていたとのことですが、素晴らしい絵画を次々と生み出したルノワールにして、病に悩まされていたことを思うと、天才も秀才も人間なのだなと、妙な親近感を覚えます。 ルノワールの「ピアノを弾く少女達」(1892年)の画像を載せておきます。 【この本からの引用】 彼は死ぬ2年前から胃を病み、胃癌とわかってからほぼ1年たったところで、「腹痛や苦しき中に明けがらす」の一句を残し、悠然と死に赴いた。 かねてより鉄舟に私淑していた落語家の三遊亭円朝が臨終の見舞いに来ると、鉄舟は一席を所望した。 自分が死ぬまでの間、集まってきた人たちが退屈するだろうから喋れというのだ。 円朝は涙をぼろぼろと流しながら語り、鉄舟は横たわらずに座禅を組んだままこと切れた。 【上記の感想】 上記は、幕末の三舟のうちの1人、山岡鉄舟の臨終の場面です。 「腹痛や苦しき中に明けがらす」という一句は、胃癌による腹痛により寝付けず、床の中でカラスの鳴き声を聞いたという句でしょうか。 強い痛みが想像されます。 なお、2005年5月29日の日記にも、山岡鉄舟のことを書きました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/07/16 12:00:58 PM
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