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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2019.06.06
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​​​​​ 樺山紘一「歴史のなかのからだ」(岩波現代文庫)
​​​​ 科学、哲学、歴史、芸術、スポーツ。人間が作り上げてきた文化の諸相を大きく区分けすればこの五つぐらいのジャンルになりそうな気がする。学生諸君が学校でお勉強する科目も、おおむね、この五つということになる。
 例えば文学芸術かな。この中で、最近、人気がないのが歴史。もっとも、哲学などという、昔から人気があったためしがないジャンルもあるから、それよりはましかもしれない。​​​​​

​ あらゆる学問にとって、哲学的な理想と内省を失うことは致命的だと思う。そういう意味で、哲学が面倒くさがられている現在というのは、まあ、人類というのは大げさだろうが、この国の人間たちが致命的失敗をやらかす時代が目の前にあるのかもしれない。
 そのあたりの学問がお金になりにくいというのが、現状の直接的な理由かもしれない。「文系」と呼んで、学問の土台になる領域を否定する政治と哲学の関係を思いうかべてみても、アブナイ時代だと思うが、誰もが具体的なマニュアルをほしがる社会だから、原理を説く人は煙たがられる。というわけで、やっぱり哲学は流行らない。
 じゃあ歴史はどういう意味を持つのですかと尋ねる人がいるかもしれない。あらゆる学問と呼ばれるものは、結局、その学問の歴史を学んでいるのだと答えるのは乱暴だろうか。
 たとえば高校までに勉強する数学インドでのゼロの発見から、十八世紀、ニュートンの微積分までの西洋の数学の歴史をたどっているようなものだろう。
​​​​​ ​​​そういえば、吉田洋一という数学者の「零の発見」(岩波新書)という、数学の出発を描いた名著がある。数学が好きな人はぜひ、とは思うが、今でも手に入るかどうか、それが問題かもしれない。​​​​
​​ そう考えれば、歴史哲学と共に学問のもう一つの基礎だということになるのだが、​​その歴史という学問が、最近、すこぶる人気がない。理由は分からないが、穴埋めの知識ばっかりで勉強してきた頭には、事件がなぜ起こるかという筋道を追うことは苦痛でしかないからかもしれない。その上、今の、自分の都合に合わせて歴史を作り直すことが流行になりつつある社会では、あったことを記録するという原則すら忘れ辣つあるから、歴史なんて言葉自体がなくなるかもしれない。。いけしゃあしゃあと、でたらめな本がベストセラーになる国で、生きている若い人はホントに大変だ。
 とか、何とかいいながら、要するに歴史という学問の、とりあえずでもいいから、面白いところに興味をもってほしいということがいいたいだけなのだから、もう少し読んでほしい。​
​ というわけで、今回、案内するのは樺山紘一「歴史のなかのからだ」(岩波現代文庫)です。
 何年に何がどうした、という歴史ではなくて、搦め手からの歴史です。人間のからだというものが、歴史上どう考えられてきたのかという観点から、古今東西の事例をネタにルネッサンス史の碩学がユーモアたっぷりに解説しているいわば、歴史エッセイ。暇つぶしには最適だと思うのですが。​​

​​  たとえば第一章は​「心臓と血液」​と題して、浮気をした妻に浮気相手を殺してその心臓を食べさせる城主というとんでもない話からはじまります。心霊論というそうですが、心臓と生命の関係なんてまだ解明されていない時代、心臓に霊力が宿ると考えていた頃の話です。というわけで、当時、もっと神聖だったのが血液だったそうです。キリスト教の聖体は、イエスの血を象徴するぶどう酒ということは知っている人もいるでしょうね。この宗教的にも保証されていた血の優位性が17世紀に逆転するのだそうです。トランプカードを知らない人はいないと思います。スペード、ダイア、クラブ、ハートの、あのカードです。
 著者の樺山紘一はこんなふうに問いかけています。​​

​ 現在も使われているトランプカードには、ハート印がある。あきらかに心臓のかたちをしている。なぜ、心臓なのか、理解に苦しむところがある。というのも、のこりの三種類については、れっきとした根拠があるからだ。スペードは剣のこと。クラブは、棍棒のこと。そしてダイアは、菱形のダイアモンド。剣は戦闘者に帰属する。棍棒は、もともと耕し、種をまくための器具として農民に帰属する。ダイアモンドは、その流通力によって、商人のものである。戦う人、耕す人、商う人の揃いぶみ。それでは、心臓はだれに。むろん医者ではあるまい。​
​​ で、正解は聖職者、僧侶だそうです。ハートは元々カップをあらわしていたそうで、つまり、聖体であるところの血=ぶどう酒を注ぐ聖杯ですね。実際に、古いカードは脚の長いグラスを描いているそうです。この形が心臓=ハート型に変化するのが、17世紀だそうで、人間機械論という考え方が生まれてきたことと関係があるらしいくて、流れている血液より、動かすポンプが重要だと、人体を分解して考えるようになった科学的思想の登場があって、その結果、トランプの模様が替わったということだそうです。​
 第四章では、その心臓から脳へと、人体の部品の優位性を、人間たちが変えていくプロセスが語られています。とにかく、ネタの幅が広いのが面白いのです。まあ、なんといっても、学識は超一流なんだからね。マジメに研究している学者さんの学識を、役に立たないとか言って、バカにする人が多いですが、なめてはいけないのであります。本屋さんで探してみてください。(S)
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最終更新日  2022.06.21 02:31:40
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