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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2020.03.31
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​大沢真幸「正義を考える」(NHK新書)​​

​​​ 最初にお断りすると、この投稿原稿は、ほぼ十年前のことですが、当時、高校の教員をしていたぼく自身が学年の担任団から外れて、図書館の係をするようになった頃、授業を受け持っていた高校三年生に対して書かれたものです。
 何だか老人の繰り言になっていますが、図書館の館長という役目には、少し興奮していました。お読みいただければ幸いです。

  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※
 2012年5月。この「読書案内」を読んでくれるであろう高校3年生が、新しい3年生になりました。1年生のときから3年間付き合った、3月までの3年生が出て行ってしまって、ぼくはぽっかり空いてしまった穴ぼこのようなココロと1ヶ月ほど向き合っていました。
 4月になって、新しい3年生と出会っても、なんというか、申し訳ないことに、ピンと来ませんでした。3年間付き合った生徒さんたちの卒業を送って、いきなり、もう一度3年生の授業に出かけるのも久しぶりの経験だったからかもしれません。
 もちろん、仕事なのですから、格別困ることがあるわけではありません。学校の中のポジションも変わりました。春休みの間から図書館の司書室でラベルを張ったり、棚の整理をして過ごしているのですが、こっちは30年間の教員生活であこがれ続けてきた仕事なのですから、何の文句もありません。
 文字通り、あらゆる棚や、そこに並んでいる本がホコリまみれなのが哀しいのですが、公立高校としては、かなりな蔵書を相手にする仕事は教員生活最後の仕事としては、悪くないと思っています。なにせ、ぼくは、本が好きです。
 何はともあれ、つまらぬ感傷に浸っていないで、元気を出して、もう一回やってみようという訳で、「読書案内」です。​​
​​
​ 新しい読者諸君に、この「読書案内」というペーパーについて一言いって置きたいと思います。​
​​ ここ数年間、ぼくは授業で出会う生徒諸君にこの案内を配布しています。できることなら、ゴミにしないで読んでほしいのですが、まあ、もしもこんなものはゴミだと思っても、教室ではなく、家に持って帰って捨てていただけないでしょうか。名前は週刊と威張っていますが、経験上、年間に15号程度がやっとのようですから、そんなに迷惑はかけないと思います。なんとか通算150にたどり着きたいというのが目下のところの目標というところなので、一年間おつきあい願いたいと思います。​​
 ところで、PCを新しくしたせいで写真の貼り付けが思うようにいきません。ここに貼った大澤真幸「『正義』を考える」(NHK出版新書)の写真も、どうも変なのですが、まあ、そのうちやり方もわかってくるでしょうから、今回はこれで勘弁してください。​​
 
​​​​さて、大澤真幸です。現代文の教材で「責任と赦し」というエッセイがありますね。あの、大澤先生です。社会学という学問領域で一般向けの本を書いている人というのは、結構多いのですが、その中で、今、最も面白いと思っている人がこの人です。京都大学で教えていたはずなんですが、調べてみると大学の先生をやめてしまっていました。だから今はフリーランサーというわけでしょうか。
 今回の本は腰巻に著者の写真がついていたのですが、これがどうも通販のやらせのオッチャンのような写真で、内容とそぐわないですね。いやいや、逆にそぐうのかもしれませんが、何せ​「正義とは何か」​なんてことを講義しているわけですからね。​​
 ​​​​​​​​​​​​​​​諸君が1年の時だったでしょうか、作家の高橋源一郎、この人もぼくの中では評価が高いのですが、まあ、その彼がやってきて、なんかインチキ臭かったのですが、話をしたことがあったことを覚えているでしょうか。
​​​​ 諸君を相手の冗談のようなおしゃべりだったのですが、あそこで彼がしゃべっていたことは要するに「現代社会に正義は可能か」ということだったと思いますが、忘れてしまったでしょうか。
​ あの時、高橋源一郎さん「最大多数の最大幸福」ということを社会の一つの指標となっていることを前提にして話を進めながら、多くの人が幸福になるときに犠牲になる少数の人がいる場合、あなたならどうすると畳掛けてきましたね。​
 例えば、今、暴走する電車が走っていてポイント(転轍機)を右に切れば工事をしている5人の作業員が死に、左に切れば一人で働いている作業員が死ぬだけだ、さあ、どうしますか?と、まあこういう風に倫理の問題を語っていたと思いますが、あの時語られた問題は、生易しい問題ではないですね。
 最近、本屋さんの平台に山積みになっているマイケル・サンデルというハーバードの先生の「これからの正義の話をしよう」(ハヤカワ文庫)という本があります。気付いているでしょうか?​高橋君​のおしゃべりも、​大澤先生​のこの本も、​サンデルさん​が、その本で火をつけた「正義」の問題に対して答えようとしているところが共通していて、答えがないところもまた共通しているのです。
​ 「なんだ答えはないのか!」と、思うかもしれませんね​サンデルさん​の本の原題は「JUSTICE」ですから本人は自信たっぷりなのですが、日本で出版するときには「これからの」をつけたところがミソですね。​
​ 実は「正義」ということは相対的な問題なんですね。では、相対的とはどういう問題をはらんでいるのでしょう。​
​ ​​それは、例えば中国の聖人孟子なら「仁義あるのみ」と、一言で言い切った問題が、時代や社会によっては、特に現代社会においては、そうとも言えないということなのですね。​​​
​ 大澤真幸はこの本で、マイケル・サンデルの議論を最初に軽く紹介し、そこから角田光代「八日目の蝉」(中公文庫)を、落語でいえば、読み手に対する「つかみ」として語り始め、アリストテレス、カント、マルクスと、まあ、そうそうたるメンバーによる「正義論」の歴史を辿りなおしながら、答えのない問題に挑んでいます。歴史的に変化するのです正義は。そこが相対的という所以の一つですね。​
 この本の面白さは、倫理的判断の固有性(ぼくはこう思うというところ)から、いかに普遍性(みんなこう思うべき)へジャンプできるかどうかを試しているところだとぼくは思いますが、諸君はどう読むでしょうね。
 教科書の「責任と赦し」でも見せていた、​大澤先生​のスリリングな語り口がぼくは好きなのですが、皆さんはどう感じるでしょう。
​​​ 「責任と赦し」「正義論」を展開するための「入門」のお話のようなところもあります。しかし、両方ともにすっきりこれが正しいという答えがあるわけではないところがだ重要だということに気付いてほしいと思いますね。乞う、ご一読。(S)​
追記2022・12・15
 こういうペーパーを「読書案内」と称して高校生に配って、自分でいうのも変ですが、そこそこ反応があって面白がっていたのですが、その頃から、たかだか10年しか経って​いないのですが、隔世の感というか、時がたったことを実感する今日この頃です。
 時々お出会いする国語の先生になりたいと希望している大学生に「中学生や、高校生に読書をすすめるのはなぜ?」と尋ねたところ「語彙が増える。」と答えられて、どうリアクションしたらいいのかわからない体験を最近しました。「そうですね、でも、思っているほど語彙って増えたりしないものですよ。それに、語彙が増えて何の役に立つのですかね。」とでも言えばいいのでしょうか。
 しかし、よく考えてみれば、なんで、今更、本を読むなんてことを
​すすめるのでしょうね。何が何だかわからない時代になって来たようですね。どなたか「わかりやすく」御教授いただけないでしょうか。​​​​​​​​​ちょっと、笑えない気持ちの今日この頃です。​​​​​​​​

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最終更新日  2022.12.15 00:25:59
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