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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2020.05.10
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​​​​​​2004書物の旅 「ぼくが50歳だった頃、教室で」その18
片山恭一『世界の中心で愛を叫ぶ』(小学館)
 ぼくが50歳だったころ、教室で十代の生徒たちに語っていました。その頃の「読書案内」復刻版です。2004年ころにワープしてお読みください。 

  ※    ※    ※    ※    ※    ※    ※
 
​えーっと、初めて読者の方から反応がありました。片山恭一『世界の中心で愛を叫ぶ』(小学館)ですね。恐ろしいほど流行っていて、読んだ若い人たちの口コミでどんどん広がっているそうです。映画にもなったそうです。マンガにもなっています。主人公の新しい彼女を主人公にしたお話まで本になったんだそうです。おいおいこれは一体何なんだという、この作品について高校生一年生のKさんからこんなオススメのメールが届きました。 
 ​今話題の「世界の中心で、愛を叫ぶ」です。福岡在住の作家「片山恭一」さん(45歳)の小説で、206ページあります。主人公は「朔太郎」という名の少年で、同級生の「アキ」と愛をはぐくんでいましたが、突然の病がアキに襲いかかる・・・。恋人を失う悲しみが痛切に迫る物語です。映画や漫画にもなっているのでぜひ一度は読んでほしいと思います。​
 まず、この案内を読んでくれている人から反響があったことが嬉しいわけです。ははは。ありがとう。
 話を戻します。友達のサッカー少年がこの本を貸してくれました。我が家ではまず中学生のお馬鹿娘が、ぼくが借りて帰ったこの本を先に読んでこういいました。

「一回は泣くで。」
「ウーンそうなのか。オヤジでも泣くかな。」
 
「そんなコトは知らん。」

というわけでぼくも読みました。残念ながら泣けませんでした。だって泣け泣けって書いてあるように感じてしまったんだもの。おじさんはいやですね。素直になれないんです。

 おバカ娘は益子昌一「指先の花」(小学館文庫)をさっさと買い込んで読んでいるようすです。片山さんの小説の後日談だそうです。
 泣けない
おやじは、「愛と死をみつめて」(1964・日活)という映画があったなあ、と思い出にふけっています。実話のドラマ化と小説という違いはあるけれど「よく似ているな。」と思い出しました。
 吉永小百合浜田光男という1960年代を代表する純愛俳優のカップルが、不治の病で死んでしまう少女と残される大学生を演じて一大ブームになりました。主題歌も流行ったんです。現在50代の人たちにマイクを持たせてメロディを流すとたいてい歌えると思います。若いみんなは知らないでしょうね。浜田光男はどうなったか知りませんが、吉永小百合はプールで泳いでいる。
 ちょっと、いや、かなりかな、素敵で健康そのもののおばさんになってコマーシャルに出ているけれど、ぼくの中では若くして死んでしまう薄倖の美少女のままですね。しかし、その映画の時もぼくは泣けなませんでした。だって照れくさいじゃないですか。
 
ところで、この小説について不満というか、残念に思うことのひとつは、『世界の中心で』とあるけれど、それがどこなのかぼくにはよく分からない事ですね。恋愛小説というものは、えてして二人の世界に閉じてしまいがちなのですが、そこで世界の中心といわれても困ってしまうわけです。
 ぼく
自身のことでいえば、自分自身や、自分と対になる他者を中心と考える考え方は嫌いなんです。
 恋人同士、夫婦、家族なんかについて、誰でもそう思いがちだけど、抵抗があります。外側の世界が必ず入り込んできて、まあ、何とか持ちこたえているとか、ここはかなり端の方らしい、くらいの考え方がどっちかというと好きです。
 
吉本隆明という詩人が『共同幻想論』(角川文庫)という国家を論じた本の中で、人間の世界のあり方について、一人一人の夢や生き方という個人的な認識世界を「個的幻想」、家族や、恋人といった実感で繋がっていると感じる他者に対する認識世界を「対幻想」、社会、国家、法律というような誰にも共通して他人事のようだけど、そこに居ることから逃れようのない認識世界を「共同幻想」と、いかにも詩人らしい言葉で区分けして論じています。「幻想」というところがポイントなんですよね。
 その本の中で一番印象に残っている事は「対幻想と共同幻想は逆立ちしている」という言い回しで、ぼくなりに妙に納得したことがあります。対幻想、すなわち恋人達二人の世界は一人ぼっちの寂しさを救うけれど、なぜか社会から孤立していってしまいます。友達大勢でいるより二人でいたほうが楽しいんです。その結果なのか、どうか、自分達は特別だと思いたがるんですね。にもかかわらず社会の側から見ると何の変哲もない家族でありカップルであるに過ぎないわけ。
 変な事がいろいろある世の中全体とは違って、自分達はまともな生き方をしていると思い込んでしまいます。そんなまともな人たちが集まってみると変な社会が出来る。これはかなり不思議なことだと思うんですが、きちんと説明できた人を、ぼくは知りません。
 
この小説は二人の世界の「愛」を描いています。「愛」が育っていく経緯や登場人物のキャラクターも素敵です。そして、その美しい愛のかたちは「死」と引き換えに完結していますね。青年の苦しみ方も、よくわかります。「死」によって世界の中心に一人残されたと感じるのもわかります。
 ところで、そこは世界の中心なのでしょうか。吉本さんを思い出しながら、そう感じたわけです。こんな言い方はおじさんでしょうか?
 まあ、でも小説の最後になって、青年が新しい恋人との生活、つまり新しい世界に生きはじめている事がわかって少しだけほっとしたという次第でした。
 
​​​この人の作品は『もしもそこに私が、いるなら』(小学館)、『君の知らないところで世界は動く』(新潮社)、『空のレンズ』(ポプラ社)など結構たくさんあります。最近新刊も出ました。いろいろ読んでこの作家の「中心」を捜してみてください。
 ああ、ぼくは、結局、みんな読みました。えっ?はまってるんじゃないかって?ふふふ。(S)
​追記2020・05・10
 古い記事を投稿しようとして「事実」確認で調べていて「あー」と思ったことが二つありました。
 一つは映画「世界の中心で、愛をさけぶ」(映画.com)についてですね。監督行定勲に始まって、俳優陣は柴咲コウ、長澤まさみ、山崎努、宮藤官九郎 etc.の名前がずらりと並んでいるではありませんか。もう、びっくり仰天。今なら、きっと、見たに違いありませんが、当時のぼくは「映画」そのものに興味を失っていたらしいですね。まったく知りませんでした。
 二つ目は、著者の片山恭一さんは今もご活躍の様子ですが、最新の著書が『世界の中心でAIをさけぶ』だそうです。よくわかりませんね。
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最終更新日  2020.12.08 13:37:31
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