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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2021.01.05
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​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​「橋本治 最後の挨拶」追悼総特集「橋本治」(文藝別冊・KAWADEムック)​
​​ 作家の橋本治が亡くなって2回目の1月29日がやって来ます。2020年3月25日に書き始めました。新コロちゃん騒ぎに火が付き、「愚か」というしかいいようのない人物が、花見をめぐって嘘八百を垂れ流しながら、怪しげなマスクを、何百億もかけて配って人気取りをしようしていた世相にうんざりして、「そうだ橋本治なら何て言うだろう」と思い付いての所業でした。
「今日3月25日は橋本治の誕生日です。」なんていう書き出しでブログの記事を書き始めてから10カ月もの間、下書きコーナーで眠っていた記事ですが、とうとう2021年になってしまいました。​​
 ​​橋本治 最後の挨拶 
 みなさん今晩は、橋本治です。今日は多分お寒い中を、私のためにおいでいただいきまして、ありがとうございます。
 ​私は今年、七十歳になりました。平成年間中、悩まされ続けた悪夢のようなローンの返済も終わり、明治の文豪が胃癌で中絶させたままの小説のリライト版も完成させ、「草薙剣」も刊行できました。どこかから、「よかったね」の声が飛んできてもいいはずなんですが、この六月に飛んできたのは、「癌ですね」という医者のあっさりした声でした。
 それで私は、十六時間の手術と四ケ月の入院生活を経て、十月二十五日に退院いたしました。「退院だから元気になっただろう」というのは全く嘘で、私の体は「退院」の声を聞くと不安になってガクガクになるようです。そんな退院後四日目に、野間文芸賞を戴き、家の中で素っ転んで顔を切りました。
 そして、「やっぱりへんだな」と思っていた通り、体の中にはまだ癌細胞が少し残っているというので抗癌剤の導入をはじめ、それがどう転がってか嚥下性の肺炎ということになって、このようなていたらくでございます。いいのやら悪いのやら。
 実は「草薙剣」の版元である新潮社の編集者から、「よろしければ私たちの方からもお祝いの品をお送りしたいが、何がよろしいでしょうか?」というお言葉をいただいたそうで、それを助手から聞いて、「うーん。なにがほしいって、べつになんにもないな」と言ってしまいました。欲がないのじゃなくて、ほんとになにもほしいものがないのです。
 「もらえるのなら、原稿用紙かな」――するとそれを聞いた助手が「そりゃいいや」と言いました。「お前は俺を殺す気か!」とは思いませんでしたが、少しそういう気分にもなりました。
 実は私は、まだ学生だった二十代の前半から、真っ新な原稿用紙を五百枚買うと幸福になる人間でした。
 小説を書くというのではなく卒論を書くための紙ですが、折り目のない白い原稿用紙が五百枚、茶色いパックの中に納まっているのを見ると胸がドキドキしたのです。
 それだけではなくて、その原稿用紙が文字で埋められて終ると、広げられた原稿用紙の上に両肘を載せて静かな息を一つ吐き、「ああ、終わった」とつぶやくのです。
 私の人生は、初めから終わらせることを目的にしてスタートしたみたいで不思議ですが、「ああ、終わった」の一言が幸福をもたらしてくれるのは事実でした。
 今でこそ原稿用紙は助手に買いに行かせますが、「ちょっとしんどいな」と思うことはあっても、書き終えた幸福感は変わりません。だから今、二千枚の原稿用紙をもらったら重荷でしょうが、五百枚や千枚の原稿用紙なら「なんとかなるかな」とは思います。
 「書く内容まで決まっている」というとプレッシャーになるので言いませんが、「もういい年で立派な賞をもらったんだから、無理して続けるのはやめなさい」でもなく、「これを一歩としてもっと頑張りなさい」でもなく自分の目の前に原稿用紙が見えたら、成り行きでその上を一歩一歩歩いて行こうと思います。
 成り行き任せな私には一番ふさわしい行き方です。それで最後まで行けるのか行けないかはわかりませんが。そういう宛どのない生き方が自分にはふさわしいんじゃないかと思います。ちなみに、次に書く小説のタイトルは「正義の旗」です。
 あ、言っちゃった。もうやめます。
 今日は本当にどうもありがとうございました。「生きるか死ぬか」の話を続けると後の方がやりにくくなるので、年寄の話は終わりにして、未来のある方へマイクをお譲りします。​(文藝別冊・KAWADEムック)
​ ​小説「草薙剣」野間文芸賞を受賞した際、受賞者の謝辞の挨拶として代読されたらしい原稿で、彼の絶筆ということになった文章です。
 文中にある、明治の文豪のリライトというのは「黄金夜界」(中央公論新社)という作品ですが、尾崎紅葉「金色夜叉」の翻案小説で、彼の死後出版されています。
​​ 橋本治という人は「桃尻娘」(講談社文庫)という怪作で、40年前に大学生だったぼくの前に登場した人ですが、晩年は「書きに書いた人」という印象がすべてです。
 評論であろうが、小説であろうが、「​​金太郎あめ」のようにどこから舐めても、​​​​​​どこを齧っても橋本治でした。ぼくのようなファンにはそこがこたえられないところなのですが、「金太郎あめ」なんていうのは性に合わない人にはついていけない人だったかもしれません。
 それにしても、受賞の記念品で「原稿用紙」を欲しがるなんていうのですから、まだまだ書くべきことや、書きたいことがあったに違いありません。
 まあ、そこのところこそ読んでほしい一心で、こうして引用紹介しているわけです。
 新コロちゃん騒ぎの昨今の世相に、彼なら何を言ったか、フト、そんなことを考える時がありますが、「ああ、終わった」とつぶやく橋本治はもういませんし、彼に代わる人は見当たらないのが現実です。
 橋本治がいかに橋本治であったか、つくづくとさびしい今日この頃です。
 今年も1月を迎え、月末には「モモンガ―忌」がやって来ますが、彼の作品を順番に「案内」したいという、ぼくの野望(?)も、このままだと夢で終わりそうですね。今年こそは何とかしよう。それが、2021年シマクマ君「年頭の誓い」ということで、今年もよろしくお願いいたします。

追記2022・02・01

 橋本治案内の野望というか年頭の誓いは何一つ実現されないまま、2021年は暮れて、2022年の1月も行ってしまいました。
「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」
 子供のころ、そんな言葉をおじいちゃんからだったでしょうか、聞かされたことがあって、納得したことを覚えていますが、「行く」「去ぬる」だったかもしれません。
 まあ、そんなことはともかく橋本治です。今年の1月の末にチッチキ夫人橋本治の命日について話していたちょうどその頃、作家の保坂和志がフェイスブックとかツイッターで、橋本治のことに触れていて「ああ、彼も、あの頃橋本治だったんだ」と思い出したりしました。
 
​興味のある方は​保坂和志のブログに追悼文が載っていますから、そちらをお読みになればいいのですが、ぼくが、ちょっとドキドキしたところを引用してみます。​
​一九八四年、私は二十八歳になったところだった、橋本治はたった一人で男として生まれた男の子の生き方を切り拓いていた、私はあの頃、全身で橋本治に心酔してたからこういう風に言葉にできてたか、わからないがそういうことだ。​
​​「ほら、こんなに広い!」
 
 と、橋本治は大草原なのか原野なのか、私たちに予感させた、たぶんそれは完全に見せてくれたわけではない、それはひとりひとりが自分のパフォーマンス、意図実現力によって見なければならない。いや、意図でなく願望か? 私が橋本治から教わったことは、まず願望すること、願望を持つこと、願望に正直であることだった。​​

​​​ まあ、大した願望ではないかもしれないぼくの野望を今年こそ何とかしようということを、もう一度「年頭の誓い」にしようと、旧正月に思っていますが、さて、来年の1月は少しは笑えるのでしょうか。それより何より、2023年の1月を無事迎えられるように、なるべく人とは会わず、こそこそ暮らしたいと思います(笑いたいけど笑えない)。
追記2023・01・15

 コメントとかとは縁のないシマクマ君の日々ですが、あたたかいコメントをいただいて、2022年「年頭の誓い」を思い出しました。
 2022年には、夏の終わりに、無事(?)コロナに感染して、隔離の最中に父方の叔母が亡くなるという体験がありました。葬儀に駆け付けることもままならないまま、何をどう考えていいのかわからないぼんやりした生活をしていましたが、暮れに、今度は一人暮らしをしていた義母が倒れました。意識不明の昏睡が続きましたが、コロナの世相の中で面会もままならない二週間の時が経ち、年明けに亡くなりました。どちらかというと、人の生き死ににあまり心を動かさない、薄情な人間なのですが、ショックでした。葬儀を終えて、どうして、こんなに哀しいのかわからない哀しみというほかない気持ちを引きずったまま10日が経ちましたが、コメントをいただいてホッとしました。
 読んできた本を1冊づつ紹介したとして、何冊紹介できるのか、そんな気持ちで始めた「読書案内」ですが、初心に帰ってやり直そうと思います。まずは橋本治からですね。2023年「年頭の誓い」です。​  
 立ち寄ってくださっている皆様、今後ともよろしくお願いします。


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最終更新日  2023.06.10 21:08:08
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Re:週刊 読書案内 「橋本治 最後の挨拶」(文藝別冊・KAWADEムック)(01/05)   ダテヤン(元某私立大学職員) さん
初めてコメントします。橋本治は、デビュー当時はあまり気にとめなかったのですが、雑誌「芸術新潮」に連載された「ひらがな日本美術史」に感心して以降、気になる存在になりました。その多彩な活動の原動力については、「ぼくたちの近代史」の第三部「原っぱの論理」を読んで納得しました。遊びのエネルギーが窮屈なルールを突き崩していくという幸福感を忘れずいることが、後の多彩な活動につながっているのかなと思いました。「野望」の実現、がんばって下さい。 (2023.01.13 16:43:37)

Re[1]:週刊 読書案内 「橋本治 最後の挨拶」(文藝別冊・KAWADEムック)(01/05)   シマクマ君 さん
ダテヤン(元某私立大学職員)さんへ
コメントありがとうございます。「ひらがな美術史」が芸術新潮に連載されていたのは90年代だったと思います。隔世の感と言いますが、その当時をご存知の方からのコメント、とても感動しました。
本を捨てる時代らしいのですが、捨てられない本を1冊づつ紹介できればと思って暮らしています。これからも、よろしくお願いします。
(2023.01.15 10:46:34)


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