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2021.01.08
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​​​芥川仁(写真)・阿部直美(文)「里の時間」(岩波新書)
​​

 宅配便で届いた新書版のページを開くとこんな写真がありました。


​ 着物を着こんだ夫人が、町内会で準備した夏祭りの舞台に見入っている。都会にいる子供や親戚と久しぶりに過ごしたお盆が過ぎると、やがて秋の気配だ。(島根県仁多郡奥出雲町)​​
​ ​​​​と、キャプションが付けられていて手がとまりました。島根県奥出雲なんてもちろん行ったことも、地名として聞いたこともありません。「ヤマタノオロチ」か、映画「砂の器」の舞台だったか、そんな場所です。​​​​
​ にもかかわらず、ぼく自身が、このおばさんのことを知っているような、不思議な胸騒ぎがして、心の中なのか頭の中なのか、何かを探し回っているような落ち着かなさがざわついて、次のページの「ときどきご先祖様が帰ってくる」という記事に目を移して、ようやく落ち着きました。
​ 夕刻、大馬木地区小峠集落では、小さな煙が谷間のあちこちから上がっていた。
「そろそろすっか。」日が暮れるのを待って、蔦川家の大きいじいちゃんと小さいじいちゃんが家を出る。小さいじいちゃんが藁の束に火をつけると、小川にかかる土橋の上に置いた。燻っている間、しゃがんだ姿勢で川の流れを眺めてから、「こいで、おわり。なあに、あっという間よ。」
​ ​八月十六日、小峠集落の人々は送り火を焚き、送り団子を供える。十三日にお迎えしたときと同じやり方で、団子はもち米粉を練ってきな粉をまぶす。今では貴重になった桐の葉の上にのせてお供えするのが昔ながらのやり方だ。
​ ページを繰ると、次のページにはお墓の写真があります。


 付けられているキャプションはこうです。

​この地方の墓には皆、やさしい色合いのオミナエシの花が供えられていた​​
​ ぼくは、無縁仏が並ぶ故郷の墓を思い浮かべながら、苔でしょうか、白く変色して、江戸時代の元号がやっとのことで読み取れる、ちょっと傾いた石塔にオミナエシミソハギを配り、線香を置き、水をかけてまわった記憶に引き戻されていました。
 奥出雲町はかつて、たたら製鉄の一大操業地だった。粘土で造った炉に火力として木炭を使い、砂鉄を投入して純度の高い鋼を作る日本古来の製鉄技術だ。その鋼の塊を用いて、鍛冶屋は刀や農機具を作った。
 「鍛冶屋は、見たことなんてねえよ。だって、もうずーっと前のことだもの。ここに嫁に来たときに話に聞いたんよお」。蔦川家では、嫁に来たらこの話を引き継ぐのだろう。
 裏山に続く小径に、角の取れた古い墓石が並んでいる。たたら製鉄所で死んだ男たちの墓だ。
​ ​​​​​文章を書いているらしい阿部直美さんに、ここのところ関心があって注文した本です。
 「おべんとうの時間」というシリーズの阿部さんの家族連れの仕事ぶりが気に入ったからなのですが、この本で阿部直美さんが組んでいる写真家の芥川仁という人の名前には、水俣を撮った人という、なんとなくな知識あっただけでした。​​​​​

​ こうして、少し文章を写してみて、​芥川さん​の写真と見比べていると、新書版の小さな写真であるにもかかわらず、写真の「存在感」に圧倒されてしまいました。​
​​​ 阿部直美さんの文章の素直さは、期待通りだったのですが、芥川仁さんのなんでもない風情の写真に、少々押され気味の印象を持ちました。
 何か、少し辛口に聞こえることを言っていますが、この本は、2010年代に残された日本の「里の時間」をたしかにとらえている写真と、里で暮らすおばさんやおじさんたちに、素直に耳を傾けて綴られている文章でつくられていて、今後、もう二度と作れない、貴重な記録になっていると思います。写真家の腕前も、それを、懸命に追いすがるようなルポライターの姿勢の面白さも堪能できる1冊でした。
 それにしても、次は、芥川さんの写真集を探すことになりそうですね。​
​​
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最終更新日  2021.01.08 03:20:56
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