1467846 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ゴジラ老人シマクマ君の日々

ゴジラ老人シマクマ君の日々

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

シマクマ君

シマクマ君

カレンダー

バックナンバー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(1)

読書案内「日本語・教育」

(24)

週刊マンガ便「コミック」

(86)

演劇「ナショナルシアターライブ」でお昼寝

(33)

徘徊日記「日帰りでお出かけ」

(58)

演劇「劇場」でお昼寝

(2)

映画「元町映画館」でお昼寝

(105)

映画「ちょっと遠くの映画館」でお昼寝

(15)

映画「シネリーブル神戸」でお昼寝

(109)

読書案内「映画館で出会った本」

(16)

読書案内「翻訳小説・詩・他」

(46)

読書案内「漱石・鴎外・露伴・龍之介・百閒・その他」

(19)

徘徊日記「垂水・舞子・明石」あたり

(48)

読書案内 「医者や科学者の仕事、まあ科学一般」

(23)

読書案内「現代の作家」

(102)

徘徊日記「お泊りでお出かけ」

(63)

徘徊日記「神戸・元町・三宮」あたり

(84)

読書案内「絵本・児童文学」=チビラ君たちへ

(45)

読書案内「社会・歴史・哲学・思想」

(66)

読書案内 「芸術:音楽・美術・写真・装幀 他」

(30)

読書案内「近・現代詩歌」

(46)

徘徊「港めぐり」

(4)

バカ猫 百態

(21)

読書案内「橋本治・加藤典洋・内田樹・高橋源一郎・他」

(17)

読書案内「水俣・沖縄・アフガニスタン 石牟礼道子・渡辺京二・中村哲 他」

(20)

読書案内「鶴見俊輔・黒川創・岡部伊都子・小田実 べ平連・思想の科学あたり」

(15)

映画「OSミント・ハーバーランド」でお昼寝

(3)

映画「こたつシネマ」でお昼寝

(16)

映画「パルシネマ」でお昼寝

(47)

読書案内「昭和の文学」

(20)

読書案内「BookCoverChallenge」2020・05

(25)

読書案内「くいしんぼう」

(9)

映画「Cinema Kobe」でお昼寝

(6)

週刊マンガ便「ちばてつや・ちばあきお」

(8)

週刊マンガ便「石塚真一・浦沢直樹・ハロルド作石」

(30)

週刊マンガ便「原泰久・鈴ノ木ユウ・野田サトル」

(31)

ベランダだより

(130)

徘徊日記 団地界隈

(108)

徘徊日記 兵庫区・長田区あたり

(24)

徘徊日記 須磨区あたり

(26)

徘徊日記 西区・北区あたり

(8)

徘徊日記 灘区・東灘区あたり

(37)

徘徊日記 美術館・博物館・Etc

(4)

週刊マンガ便「吉田秋生・高野文子・やまだ紫」

(7)

徘徊日記 芦屋・西宮あたり

(7)

読書案内「大江健三郎・井上ひさし・開高健 他」

(12)

読書案内「古井由吉・後藤明生・他 内向の世代あたり」

(3)

読書案内「谷川俊太郎・茨木のり子・大岡信 あたり」

(18)

読書案内「啄木・白秋・晶子 あたり」

(4)

読書案内「丸谷才一・和田誠・池澤夏樹」

(9)

読書案内「吉本隆明・鮎川信夫・黒田三郎・荒地あたり」

(11)

週刊マンガ便 「松本大洋」・「山川直人」

(13)

読書案内「リービ英雄・多和田葉子・カズオイシグロ」国境を越えて

(5)

読書案内「村上春樹・川上未映子」

(10)

映画 パレスチナ・中東の監督

(5)

読書案内「近代詩 賢治・中也・光太郎 あたり」

(7)

映画 韓国の監督 イ・チャンドン ホン・サンス 他

(21)

映画「香港」「中国」「台湾」の監督

(27)

映画 アニメーション

(13)

映画 日本の監督 ア行・カ行・サ行 是枝・黒沢

(44)

映画 日本の監督 タ行・ナ行・ハ行 鄭

(23)

映画 日本の監督 マ行・ヤ行・ラ行・ワ行

(11)

映画 イギリス・アイルランド・アイスランドの監督

(31)

映画 イタリアの監督

(18)

映画 ドイツ・ポーランド他の監督

(13)

映画 ソビエト・ロシアの監督

(6)

映画 アメリカの監督

(74)

震災をめぐって 東北・神戸・原発

(5)

読書案内「旅行・冒険」

(3)

読書案内「本・読書・書評・図書館・古本屋」

(10)

映画 オーストラリア・ニュージーランドの監督

(4)

映画 フランスの監督

(40)

映画 スペイン・ポルトガルの監督

(10)

映画 カナダの監督

(3)

映画 グルジア(ジョージア)の監督

(9)

映画 ウクライナ・リトアニアの監督

(6)

映画 イスラエルの監督

(2)

映画 マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、クロアチア、スロベニアの監督

(2)

映画 オランダ・デンマーク・ベルギーの監督

(7)

映画 フィンランド・スウェーデン・ノルウェイの監督

(5)

映画 トルコ・イランの映画監督

(7)

映画 ギリシアの監督

(2)

映画 アルゼンチン・ブラジルの監督

(2)

映画 ハンガリーの監督

(4)

映画 セネガルの監督

(1)

映画 スイス・オーストリアの監督

(3)

読書案内 戯曲 シナリオ 劇作家

(1)

読書案内 ジブリの本とマンガ

(5)

日記/記事の投稿

コメント新着

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2022.07.04
XML
​春本雄二郎「由宇子の天秤」シネ・リーブル神戸​

 見終えてから半年以上たちます。見た映画は評判だった「由宇子の天秤」、監督は神戸の出身らしい春本雄二郎です。もう、忘れているようなものですが、とりあえず覚書として書き留めておくつもりで書いています。
 とても好評なレビューがたくさんあります。テレビとか新聞とかのマスメディアのニュースの正体を暴いて、私たちが何にあおられて「モラル」そのものを失っているのか。事実を報道するはずの「ニュース」がいつのまにか商品としての「ニュース」へと作り替えられていく現代社会を活写した作品とでもいう評価です。
 手持ちカメラによって主人公を追うという方法が、現実に生きる我々の全体性喪失の現実をリアルに再現して見せているという、映画製作の方法論上でも高く評価されているようです。
 特に異論はありません。が、見終えたぼくは、それほど感心した作品ではありませんでした。
​​​ 題名に「天秤」というカギ言葉をいれることで、次々と起こる出来事に対して、主人公である由宇子というドキュメンタリィー映像作家の「モラル」の相対性を浮き上がらせていきます。​​​
 が、彼女が追っていた女子高校生と男性教員の顛末に重ねるように、塾生である女子高生と父親との関係が描かれるあたりから「なんだかなあ」という気分が浮かんできて醒めてしまいました。
​ 由宇子は自分の作品の商品価値のために、父親と共犯関係になりますが、女子高生の事故によってすべてが暴露され、高校生の父親に殴られて映画は終わります。殴った父親も、まあ、これは勝手な憶測ですが、DVの当事者であり、娘の売春癖の原因の一人であることをにおわせています。​
​​​ 事故で意識を失っているらしい女子高生はどうなったのでしょう?そう思った瞬間、由宇子の正義感やモラルが相対的なものに過ぎないことの以前に、春本雄二郎という監督もまた「天秤」を操って映画を撮っているのだろうかという疑問が浮かびました。​​​
 マイケル・サンデルという経済学者が「正義」を天秤に載せて世間をたじろがせたことがありました。あれから10年たちました。その時に感じたのは、話の設定の面白さはともかく、はたして正義は天秤に乗るのかどうかという疑問でしたが、今回の映画で感じた疑問とよく似ていると思いました。
 リスク・マネージメントという流行りの考え方があります。どうすればリスクを最小限に抑えられるかという発想でマニュアル化された現実対処法です。あらゆる現場で重宝されているようですが、この考え方の弱さは、マネージメントしたはずのリスクが現実に起こったときの、ダメージ・ケアの不確かさではないでしょうか。要するに、現実に起こったときに我々を支えるはずのものが考えられていないのではないかという疑問をぼくは捨てることができないということです。
 この映画は「正義」が受けたダメージについて、何の解決も方向性も示していません。それが現実的リアルだと言ってしまえばそれまでですが、実際にダメージを受けながら、結局、リスクマネージメントの発想から抜けきらない主人公の描き方は納得がいきませんでした。そこに、いかにも社会派めかしたこの監督の思想、あるいは社会観の薄っぺらさが露出しているという気がしました。

 サンデルの正義論の反論できない不愉快さとどこか似ていますが、主人公といい、その父親といい、女子高校生の父親といい、描き方にどこか「上から目線」を感じたことが、たぶん、ぼくの不愉快の理由だと思います。
 まあ、思い込みの感想なのですが、政治家の狙撃事件に騒いでいる世相をうかがいながら、メディアやニュース報道者のモラルについて、自分なりの思いこみを整理したくて書きました。

監督 春本雄二郎
脚本 春本雄二郎
撮影:野口健司
照明:根本伸一
録音・整音:小黒健太郎
美術:相馬直樹
装飾:中島明日香
小道具:福田弥生
衣裳:星野和美
ヘアメイク:原田ゆかり

キャスト
瀧内公美(木下由宇子)
光石研(木下政志:由宇子の父)
河合優実(小畑萌:高校生)
梅田誠弘(小畑哲也:萌の父)
松浦祐也(長谷部)
和田光沙(志帆)
池田良(医師)
2020年・152分・G・日本
2021・10・25・no99・シネ・リーブル神戸no158

​​

PVアクセスランキング にほんブログ村

にほんブログ村 映画ブログ 映画日記へ

にほんブログ村 映画ブログへ






ゴジラブログ - にほんブログ村​​​​​​
​​​​​

​​​​​​​​​​​​​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.12.22 23:29:49
コメント(0) | コメントを書く
[映画 日本の監督 タ行・ナ行・ハ行 鄭] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.