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【ゴルフ】“追われる不安”を断ち切った西村優菜の精神力。同週にアマチュアVを飾った中島啓太とのエピソードとは? 9/27(月) 6:06配信 THE DIGEST 圧勝の中でも不安を抱えていた西村。それを断ち切るきっかけとなったプレーがあった。 これが勢いというものだろうか。前週の国内女子ツアー『住友生命Vitalityレディス東海クラシック』で最終日に5打差から逆転優勝を飾った西村優菜が、『ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン』では完全優勝を達成した。 初日に「66」をマークして単独首位に立つと、2日目には「65」を叩き出し、2位以下に5ストロークリードする。迎えた最終日、前半こそスコアを伸ばせなかったものの、後半に2つ伸ばして「70」でホールアウト。終わってみれば、大会新記録の通算15アンダーで2位に3打差をつけての勝利だった。 2週連続優勝は自身初であり、今季ツアー4勝目は稲見萌寧の8勝、小祝さくらの5勝に続き、申ジエと並ぶ3位タイの優勝回数だ。結果だけを見れば楽に勝ったように感じるが、西村の胸中は不安に襲われていた。 「5打差あっても自分の中では大きな差だとは感じられず、すごく緊張したし、前半は自分のプレーに集中できませんでした」と西村。これまで挙げた3勝は全て逆転勝ちであり、攻めるしかない状況が攻撃的な西村のゴルフスタイルにマッチしていた。 ところが、今回は初めて追われる立場で最終日を迎えたことで、持ち味である思い切りのよさを発揮できなかったのだ。しかも、同組の原英莉花と淺井咲希がポンポンとスコアを伸ばしてくる。不安がMAXに達したのは8番パー5でボギーを叩いたときだった。 ピンまで残り80ヤード地点から放った3打目がグリーン手前のラフにつかまる。そこからのアプローチがピンを5メートルオーバー。パーパットを沈めることができなかった。このホールの難易度は3日間で4.79と18ホールの中で最も簡単だった。 バーディを奪うべきところでボギーを叩いたショックは、大きく西村にのしかかる。ショックを引きずるかのように、続く9番パー4でもアプローチをミスして2.5メートルのパーパットを残した。 「ここで耐えなければ流れはこない」と強い気持ちで打ったパットはカップに吸い込まれ、ピンチを脱した西村。「ここからあと9ホールあるんだ」と気持ちを切り替えたことが、後半の2アンダーにつながった。ある意味、9番のパーパットが優勝を呼び寄せたともいえるだろう。 西村にアドバイスを求めた中島啓太「自分の気持ちになって答えてくれた」 追われる立場の気持ちを味わいながら、逃げ切った経験は、西村にとっても大きな財産となる。身長150センチと小柄ながら、これだけの結果を残してきたのは、精神的な強さがあるからだ。 ジュニア時代から負けん気が強かった西村だが、勝負に対して人一倍こだわる姿を目の当たりにしていたのが、同週の国内男子ツアー『パナソニックオープン』でツアー史上5人目のアマチュア優勝を飾った中島啓太だ。 今年の『日本アマチュアゴルフ選手権』を控えていたとき、ゴルフの調子が上がらず、自分に自信を持てなかったという中島。 どういう気持ちでプレーしたらいいのか分からず、アドバイスを求めたのが西村だった。 ナショナルチームで同学年ということもあり、合宿などで一緒に練習することが多かったこともあるが、西村のメンタルが強いのを知っていたからだろう。「自分の気持ちになって答えてくれ、最終的に自信を持ってやっていきなとポジティブなアドバイスをしてくれました」という。 それが功を奏したのか、見事に日本アマを制することができた。世界アマチュアランキング1位の中島に堂々と自分の意見を言えるところが西村らしい。 今回の優勝で、賞金ランキングの首位を独走する稲見萌寧との差も約5300万円差に縮まった。「萌寧ちゃんは上手すぎるのでなかなか追いつけないんですけど、一緒に回る機会も多くなると思うので、いいものを盗んでどんどん食らいついていけるような選手になれたらなと思ってます」と、虎視眈々と稲見越えを狙っている。 最終戦まで残り9試合、西村が稲見をどこまで追い上げていくのか注目したい。 文●山西英希
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最終更新日
2021.10.03 01:56:16
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